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怪談 湖畔の古い旅館
湖畔の古い旅館
静寂に包まれた山奥、深い湖畔に佇む古い旅館があった。その旅館には、恐ろしい怪談が伝わっていた。
ある雨の日、一人の旅人がその旅館に宿泊することになった。旅人は部屋に通され、ひと眠りしようとした。しかし、ふと窓の外を見ると、湖面に奇妙な光が浮かんでいるのに気づいた。
光に誘われるように、旅人は窓辺に近づいた。すると、湖面から女の幽霊が現れた。幽霊は長い髪を振り乱し、悲しそうな表情で旅人をじっと見つめていた。
恐怖に駆られた旅人は、部屋から飛び出し、旅館を後にした。しかし、幽霊は旅人を追いかけ、執拗に迫ってくる。旅人は必死に逃げ惑い、ようやく夜明けとともに幽霊を振り切ることができた。
その後、旅人は二度とあの旅館を訪れることはなかった。しかし、旅人が体験した恐ろしい出来事は、旅館の怪談として語り継がれていくことになった。
「この旅館だ」
「古い旅館ね」
オカルト好きな俺と彼女は、幽霊が出ると噂の旅館に泊まる。静かな山奥の旅館は、古い湖畔のそばに立っている。
「いらっしゃいませ」
年老いた仲居は、皺だらけで表情すら判らない。薄暗い廊下は電灯もついてない。
「ここです……」
「まぁきれい」
窓から見える静寂で深い湖は緑色に染まり、ぞっとするような雰囲気でシュチエーション的に最高だ。
「幽霊でるかもな……」
「楽しみ」
脳天気な彼女は、マニアック過ぎて俺は飽きていた。彼女は本気で幽霊がいると信じている。俺は別れようとしたが、狂ったような眼で非難された。
「別れたら祟ってやる!」
だから彼女を殺す事にした。
池で事故で死ねばいい、彼女の言動は旅館の関係者に吹聴しとけばいい。夜になって俺たちは湖畔を散歩する。俺は嫌がっている印象を仲居に与えた。
「本当は行きたくないんです、事故が起きたら……」
LED懐中電灯で冷える湖を見て回る。ここだ、GoogleMAPで検索した、危険な場所。
「おい湖面に奇妙な光が浮かんでいるぞ」
「どこどこ」
彼女は危ない岩によじのぼってスマホで写真を撮ろうとする。俺は後ろから引っ張り転ばせる、後頭部を損傷した彼女はまだ生きていた、俺はこぶし大の岩で頭蓋骨を破壊する。
「よし、これで旅館に……」
ふと気配を感じて湖面を見ると女の幽霊がいた、本物の幽霊が心配そうに倒れている彼女を見ている。
「かわいそうでしょ」
すっと体の中に入ると彼女が立ち上がる。彼女は俺の腕を引っ張り旅館へ戻る。頭は血だらけだったが、旅館には誰もいない。
「ひさしぶりの肉体だわ、ねぇ、しましょうよ」
俺はもう抵抗できない、まるで別人のような彼女を抱きながら俺はいつまでも腰を……
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「死後一ヶ月くらいですかね」
「無理心中をしようとして、頭部を殴ったんでしょうか?」
「その後に死体を抱いたのか? 異常者だな」
荒廃した旅館の中で、男女の腐乱死体がつながったまま見つかる。旅館はもう何年も前に潰れていた。
湖畔に三人の幽霊が立っている。両腕をつかまれた男は、いつまでも悲しげに、逃げ場を探すように頭をブルブルゆらす、いつまでもいつまでも……
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