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SS 穴の中の君に贈る #毎週ショートショートnoteの応募用
「ねえ、あんたいい加減にして」
妻から怒鳴られる。上司から叱られる。子供から馬鹿にされる。俺の人生は最悪だ。俺は自殺を選ぶ。
俺は樹海へ行く。枝振りが良さそう枝を探していると、穴に落ちた。樹海は溶岩の大地にある。溶岩が冷えると空洞ができる。俺はそこに落ちた。
「いててて」
「おい、大丈夫か?」
上から声が聞こえた。こんな場所に人が?と思うと不思議だ。
「穴の中の君に贈るよ」
縄が落ちてくる。昇ってこいと言う事だ。俺は昇るとそこは豊かな森林と青い空。
「どこだ?」
「ここは自殺者の楽園だよ」
異世界転移だ。自殺者はここに落ちて異世界で暮らしている。俺は仕事を探した。初めは楽しめたが……
「あんた本当にダメだな」
ここでも馬鹿にされる。俺くらい無能な奴は居ない。俺はまた森に行くと穴を探す。どこか俺を受け入れてくれる世界がある筈だ。次の世界に飛び込んだ。
鬼が居た。
「辺獄から来たのか?次は地獄だ。大丈夫、無能でも責め苦を受けるだけだ。誰でも出来る」
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