SS 未来断捨離#毎週ショートショートnoteの応募用

注意：怪談です、極めて不快な描写があります。苦手な方は読まないでください。

　パパ活も馴れてきた、はじめは怖かったが、最近はヤバメな奴をキャンセルできる。どこにでもいる子に見えていると思う。身なりには注意している。だから相手も優してくれる。クラスメイトでもヤッテる子は、一目でわかる。だらしがないのだ。そんな子は乱暴に扱われる。

「妊娠するとやべーよな」
「器具つっこまれるんだぜ」

　大声でそんな話をしている、私はそんな事にはならない。ちゃんと準備してる。

「ねぇ、相談があるの……」

　クラスでは目立たないメガネの子に相談された、妊娠しているのでお金が欲しい、だから貸して。

「もし貸してくれないなら、ばらすから」

　脅迫だ、他人から見ればヤッテるのが判る。どんなに隠しても周囲には知られてしまう。公園に呼び出して彼女を殺した。便所裏で石で頭を殴る。不審者に殺されたとニュースで報道された、彼女は妊娠しているので相手に殺されたと噂になる。

　私は後悔しない、自分の身を守っただけだ。学校のトイレに座りながら震える体を両腕で抱きしめる。

　夕暮れの学校のトイレは誰も居ないのに、声がする。泣き声だ、赤ん坊だ。内股を誰かにつかまれる、うつむくと赤ん坊の手が見える。未来断捨離された、かわいそうなクラスメイトの子供、おかあさんを返してと泣いている。

　私は叫びながらトイレから逃げた、もうどうでもいい、学校もお金もどうでもいい、絶叫しながら通学路を、どこまでも走った……