SS 終わりの日2 愛にカニばさみ #毎週ショートショートnoteの応募用
「ありがとう、葵」
母は私を愛してくれる、元アイドルの母は奇跡的な新薬で難病を克服した。そして結婚して私が生まれる。
「難病の時に、あなたを授かって絶望したの」
だからだろうか、私をめちゃくちゃ愛してくれた。自分と私の命が消えてしまう恐怖で彼女で毎日泣いたと教えてくれる。
「あなたが本当に好き」
母は優しく理想的な女性だった。
xxx
「難病です、覚悟してください」
私は母と同じ病気になるが、より治療が難しい。自分の命が消える恐怖は無い。なぜなら輪廻転生を知ったから……
しかし母親の憔悴を見ていられない、私よりも母の心と体が心配になる。病室で治療を受けていると、あの時の死神が姿を見せた。
「また、会ったな」
「もう死ぬのか……、かまわないよ」
「違う、お前を生かすために来た」
(死神が生かすために、つまり……)
「その約束は守るな!」
「お前が死ぬんだぞ」
「かまわない、推しが生きていれば」
「どちらにしろ同じだ、お前が死ねば絶望で母も死ぬだろう」
愛にカニばさみ……違う、イタばさみだ。
苦悩している私を見て死神がそっと肩に手を置く。
「大丈夫だ。彼女は、またお前から生まれる……」
そうか……愛のある家庭は、こうやって無意識で輪廻するのかもしれない。私はうなずいた。
xxx
私が奇跡的に治療に成功すると、成人するまでは彼女は命を永らえた。私が婚約して結婚すると、心筋梗塞で亡くなってしまう。死神のイキなはからいだ。
「母さん……、まってて」
私が彼女を産もう、そしてとても愛してあげる。ちなみに出産は死ぬくらい痛かった。
私信:大変そうなら二週間に一回とか、投稿一回とか制限すると楽そう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?