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雑多なSF設定

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SF設定の小説を集めます ・ケモナーワールド ・ジェリービーンズ ・猫探偵
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2023年1月の記事一覧

SS クリスマスの贈り物【検索順位&クリスマス&脳みそ】三題話枠

「クリスマスプレゼント、何にしようかな」 私はクリスマスプレゼントを検索する。子供向け、両親向け、恋人向け。色々あるが脳みそ向けを選ぶ。私の彼氏は脳みそ。 「やぁ元気かい」 培養槽の中で浮かぶ灰色の物体は脳みそだ。彼は生まれた時から脳みそとして生きている。脳培養による初めての実験体だ。人権を所持する彼は男性として登録されている。 研究者として彼との付き合いは数年経過している。脳の成熟は人の年齢より速い。栄養の問題もあるが促進剤で急速に成長できる。 「今日はクラス順位の上

ストーリーの種:あいつが転校してくるまでは、俺がこの中学校いちの変人だったのに。

「あなたは変人じゃないわ」  俺にとどめを刺すように転校生は宣言する。俺は胸に手を当てると片膝をついた。 「君は俺を殺す気か! 」 「お芝居が大根」  冷静に分析されると俺も冷めてくる。確かに芝居している自覚がある。心から本気で演じているわけでもない。それどころか信じてすら居ない。自分の作った設定を利用して、自分は他人とは違う事をアピールしているだけ。大人しそうなメガネの美少女は、俺の心をえぐる。あいつが転校してくるまでは、俺がこの中学校いちの変人だったのに。 xxx

SS 秘密の情報 猫探偵06

あらすじ 奇妙な機械が歩き回る都市では動物と人間が会話しながら生活していた。人間の娘のニーナを助けると猫探偵のロイは家で飼う事にする。 「ロイ、まだあんた人間を飼っているの?」 クロミだ。黒い毛皮はビロードのように美しい。彼女は有名なハッカーとして活躍している。たまに俺の味方にも敵にもなる。利害が一致するか不一致かだけで俺は気にしない。 「まだ来たばかりだ、生活に慣れるまでは面倒を見る」 それが飼い主としての責任だ。俺はニーナを殺さないで助ける選択をした。彼女が生活できる

SS 繁殖 猫探偵05

あらすじ 奇妙な機械が歩き回る都市では動物と人間が会話しながら生活していた。人間の娘のニーナを助けると猫探偵のロイは家で飼う事にする。 「仕事だ」 主任が机に座っている。鉄製の体はごつい。動作は遅い。若い頃に彼は金で肉体を売り渡した。それから成功したが、機械の方がメンテが楽なので戻る気がない。 主任からの依頼内容は、電脳空間で捜しモノだ。本来はハッカーの案件だが、依頼主はリアルの探偵を要求した。探偵を信頼する古いタイプの人間も居る。 「ひさしぶりのダイブか…」 俺は専用

SS 古い二人用 #爪毛の挑戦状

「古い二人用の脱出艇ね」 虚空が広がる深宇宙で探査船は故障した。脱出艇は二人用だが片方に問題がある。自動点検ボタンを押してもNGで戻る。間近には巨大なクォーク星がある。ブラックホールにならない超重力星だ。 船はゆっくりとクォーク星に落ちて行く。今なら脱出艇の跳躍装置で戻れる。 「使えないわ……」 年上のミランダはため息をついた。彼女には子供が居る。未婚の私は身軽だ。 「私が残る、ミランダ脱出して」 「ヨシエ、くじ引きでいいわ」 ミランダが悲しげに私を見る。私は頭をふ