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雑多なSF設定

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SF設定の小説を集めます ・ケモナーワールド ・ジェリービーンズ ・猫探偵
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2022年11月の記事一覧

SS 幻脳 猫探偵04

あらすじ 奇妙な機械が歩き回る都市では動物と人間が会話しながら生活していた。人間の娘を助けると猫探偵は家で飼う事にする。 「旦那、まだ人の子は居ますか?」 ネズミが聞いてくる。彼に頼んで養い親を探している。このまま住まわせても子供でも作られると増えてしまう。やっかいだ。 「見つかったのか?」 「会いたい奴は見つけました。ただ肉体が無いです」 今時の人間は肉体を持たない事も多い。外見に問題があると機械と入れ替える。俺はネズミと会いに行く。豪華なビルの中に入る。ロボットが俺に

SS バイリンガルギョウザ #毎週ショートショートnoteの応募用

「新しい商品が必要です、開発をお願いします」 俺は無理難題を提示される。もっと市場規模を広げろと言うのだ。食品会社に勤めている。研究員として長い。画期的な製品で市場を席巻するのが長年の夢だ。苦労して開発した 「バイリンガルギョウザです。」 プレゼン資料を見て理解できない重役は俺を呼び出す 「これは何かね?」 「ギョウザの中に知覚刺激ナノロボットを仕込みました、ナノロボットは自然排出するので安心です」 餃子はアジア圏では馴染みがある。それを世界に広げるために、食べる事で

SS 暴走した男 猫探偵03

あらすじ 奇妙な機械が歩き回る都市では動物と人間が会話しながら生活していた。人間の娘を助けると猫探偵は家で飼う事にする。 娘がキチンの椅子に座る。居心地はよくないのか窮屈そうだ。子供でも俺よりも体は大きい。俺はなりゆきで助けた。どこかの子供の居ない家に養子に出すつもりだ。 「猫さんは、一人なの?」 娘が俺を見ている。狭い部屋で驚いている。金持ちの子供らしい、狭さが楽しそうだ。猫と同じだ。俺たちも狭い場所は安心する。 「ロイと呼べ」 「私はニーナ・エリザベス・ウッド」 彼

SS 戦力で押したいお洒落 #毎週ショートショートnoteの応募用

戦力で推したいお洒落は、カラフルでなるべく露出度が高い方がベスト。このナイスなプロポーションを見せる。 美しい衣装はそれだけで特別な感情を与える。恋だ。敵すらも魅了する。お洒落は女性のスーパーヒーローでは必須と言える。今日も街の平和を守るため、私は現場へ走る。 「まて悪人達、世界の平和を乱す、あなた達にオシオキよ」 今日は公園で事件だ。黒い戦闘服の部下と怪人が公園に来ている。犬の散歩をしている人達に糞の始末をしろと騒いでいる。細かい事をネチネチいう怪人にオシオキよ 私

SS 立方体の思い出 #毎週ショートショートnoteの応募用

立方体の思い出は色々ある。幼なじみの彼は工作が得意で贈り物を色々とくれた。 「ハコちゃん、あげる」 私の箱林の名字からアダ名がハコだ。四角いノートの切れ端で作る箱は器用に蓋まである。開けるとダンゴムシが居た。呆れた顔で見ると彼は得意げに笑っている。箱の作りなのかダンゴムシを見せた事なのか判らない。 小学生から中学までそんな具合で子供みたいな事をしていた、さすがに高校になるとラッピングをする。中身は他愛の無いハンカチみたいなプレゼントだ。 大学になると彼は工学部で忙しい

SS 差分 猫探偵02

あらすじ 奇妙な機械が歩き回る都市では動物と人間が会話しながら生活をしていた。 主任が目の前に居る。変な鉄製の体だが中身は生物だ。委託業務を説明する。 「細胞活性化の処理で手違いが発生した」 アンチエイジング処理だ。老化を遅らせる。若いうちに遅らせると効果が高い。今の若い奴は大体処置を受けている。 「同一人物が二体できた」 処理中にクローン体を作成した。適当な業者だとたまにある。 「依頼主は両親だ、一体を始末してくれ」 子供は二人はいらない。記憶に差が出来るまえに殺す

SS 立法権の思い出 #毎週ショートショートnoteの応募用

「立法権の思い出かぁ」 抗議をしながら彼女が周囲を呆然と見ている。立法権を持つ機関が法律を改定する。もう手遅れに見えた。 「自由に暮らして何が悪い」 「好きな事をさせろ」 「楽しく生きたい」 国民は幸福を願う。悪い事では無い。幸福を与えよう。ルールを変更すれば良い。 「人は個人を重要視します、個人を極限まで幸せにすれば良い」 「子を産む幸せは、動物の本能であり古い価値観です。動物と同じ事をするならば、人の存在意味はありません」 退化法が決まる。 人は進化を続ける種族

SS 猫探偵01

※四コマとは別設定です。 子供の頃はテレビの探偵物が好きで見ていた。さえない中年が事件を解決する。アクション、恋模様、社会へのメッセージ。その多彩さは飽きない。 「旦那、あっしは帰りますぜ、子供が待ってるんで」 ネズミのチュー助は張り込みに飽きていた。俺はうなずく。ベンチで丸くなる。公園を眺めていると少女が歩いてきた。 「探偵さん…」 俺は目をつむったままヒゲを動かす。いつもの事だ、行方不明の父を探してくれと頼みにくる。俺は断る。繰り返しだ。失踪の理由は様々だし、発見