2年前の自己紹介と1年前の自己紹介と今の自己紹介
「私はただの『きれいな人』にもならないし、ただの『文章を書く人』にもならない」
2014年、初めてミスコンに出た時、ぼんやりと頭の中でそんなことを考えていた。
「こんな会社辞めてやる!私は自分の好きなことをして生きるんだ!」
などと言って勢いよく会社を辞めたのが2016年。
会社を辞めたことに1ミリの後悔もなければ、今でもあの会社に1ミリの感謝の気持ちもわかないものの、勢いよく会社を辞めた割に「自分が本当にやりたいこと」から逃げてばかりの時期があった。
やる気もないのに適当にアルバイトをしたり、求人案内を見たりするなんてことは何度もやった。
あの頃の私は「職業は?」と聞かれると、答えに窮してしまっていた。
「『一応』作家とモデルとライターをやってます。『全然売れてないんですけど』」
頭とお尻にネガティブワードをつけながら、もごもごと自分の職業を名乗る。
最悪の場合は「無職です」なんて答え方をしたことも何度もあった。
「こんな自己紹介をしていてはいけない!」
ようやくそう思ったのが去年の今頃。
私はとりあえず「作家」の肩書を載せた名刺を100枚作り、「名古屋100人女子会」という女性限定の異業種交流会に参加した。
この異業種交流会の存在を知ったのは、ミスグランド時代の友達、佐藤仁美さんに案内をもらったことがきっかけでもあった。
初めて参加した交流会の場では職業を聞かれても、変に卑下するでもなく、逆にドヤるわけでもなく、フラットに「作家をやってます」と答えることを徹底した。
最初はこうやって答えるのがとても大変だった。
口では「作家です」と言っているものの、内心ビクビクしっぱなしだった。
それでも「卑下せずドヤりもせずフラットに名乗る」ということを徹底していった。
次第に「作家・モデル・ライターやってます」と自然に言えるようになった。
そして今年の7月には、女性のキャリアに焦点を当てて競う大会である「ビューティージャパン」のステージ上で自分の作家・モデル・ライターとしてのビジョンや夢を語る機会に恵まれた。
ステージ上でライトを浴び、大勢の人に見守られる中で「私は作家・モデル・ライターとして働いてます」と言えたのは私には大きな成長だった。
大会が終わってからも、私は交流会などの出会いの場に積極的に足を運んだ。
「作家とモデルとライターやってます」
1年前までが嘘のように、淀みなくそう自分の職業を答えている自分がいた。
そして10月、私は今まで仮に作っていたオフィシャルサイトを作り直した。
サイトのタイトルは「文章が書ける美女」。
ついに自分で自分のことを「美女」と言ってしまった。
自分の職業を堂々と名乗ることさえできなかった人間とは思えない変化だ。
2014年の9月ごろに思い描いていた「鈴木詩織像」に、私はようやくなれた。
そして今日は、1年前にも参加した「名古屋100人女子会」に参加してきた。
初めて参加した時から何かとお世話になっている渡邊優さんにもお会いした。
1年前、ゲストとして呼ばれていたDrag queenのライラさんとペコさんにもお会いした。
他の魅力的な参加者の皆様ともたくさん交流させていただいた。
その中で私は、「作家・モデル・ライターの仕事を組み合わせて『文章が書ける美女』をやってます」と名乗ることが何度もあった。
この1年での自分の成長を実感できた瞬間だった。
今、こうして名乗れることがとても嬉しい。
「なりたい」と思っていたものになっていることがとても嬉しい。
自分の職業を堂々と名乗り、さらに「文章が書ける美女」とも言えるようになった私は、ようやくスタートラインに立てた。
悩むことも苦しいこともたくさんあるけれど、これからも自分の仕事を楽しんでいこうと思う。
……ついでに言うと、収入は去年の4倍に増えたし、著書も毎日何かしらの作品が売れている。
自己紹介大事。
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