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『NANA』のその後
※『NANA 1巻〜21巻』のネタバレが含まれますので、ご注意ください。
少女マンガの枠を飛び越え、国民的な作品として、2000年代を駆け抜けた『NANA』。2009年に作者の矢沢あいさんの体調不良によって、長期休載をしており、2009年6月24日時点で未完の状態となっています。しかも、本城蓮(レン)が交通事故(週刊誌の車を振り切るため、スピードを出したことが原因だが、扱いとしては自損事故)で2002年3月4日に亡くなり、その後の展開がどうなるのかというところで休載となってしまったため、『NANA』がどのような結末を迎える予定だったのかについては様々な考察がなされています。
『NANA』の作品の特徴として、作中の出来事はリアルタイムで進行しているわけではなく、おそらく10年後だと思いますが、奈々の回想シーン、未来のナナと奈々、ブラストやトラネスのメンバーの未来について描かれて場面もあります。以下は実際に作中で描かれている未来についてです。
◯3巻
・ナナと奈々は未来ではもう会っていないと思われる描写が3巻の時点で何度も出てくる。
・未来でも、ナナと奈々が一緒に住んでいた部屋は当時のままにしてある。
◯4巻
・「その先ナナに待ち受ける運命が 幸福であるように あの夜 くり返し祈ったのに」というナナに対する奈々の言葉があることから、少なくとも奈々から見たナナの未来は幸せなものではないことが分かる。
◯5巻
・「ナナはあたしの憧れでナナのようになりたかった ずっとそう思って生きてきたの
だから お願い もう一度歌って」という未来の奈々の描写があるため、奈々はナナがもう歌を歌っていないと思っており、ナナの近況を知らない。
◯6巻
・2人が住んだアパートのテーブルは未来でもそのままにしている。
◯7巻
・2人が住んだアパートの猫脚のバスタブはもうない。
◯8巻
・「ねえハチあんた今笑ってる?」などナナが奈々を思うシーンがあるため、ナナが奈々を嫌いになったわけではない。
◯9巻
・奈々の子どもが生まれたことをナナは把握をしている描写がある。
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◯11巻
・「奈々がタクミと幸せに暮らせているなら、私も救われる」とナナが回想。
・ナナは奈々の子どもは1人だと思っているため、第1子が生まれてから、第2子が生まれるまでの間に奈々達の前から姿を消した可能性が高い。未来のナナは当時の仲間とは会っていない。
◯12巻
・奈々の娘の名前は皐(さつき)
・年に1度の多摩川の花火大会で707号室に奈々、ヤス、ノブ、シンは集まっている。
・ノブが奈々に「レンは来ないの?」と聞いているが、このレンは奈々とタクミの間に生まれた第1子の男の子のこと。
・10年でも20年でも50年でも花火大会でまたナナと会えることを奈々は望んでいる。
◯14巻
・奈々はナナがどこにいるのか知らない
◯17巻〜18巻
・ナナの近況を知らせる写真が倉田から送られ、奈々が驚くシーンある。メンバーもこの写真でナナの近況を初めて知った様子。
・「子どもの頃、ブラストを観た子がバンドをやる年齢」という言葉から、未来の描写はおそらく10年後だと予測できる。
・タクミはイギリスにいて、息子のレンもタクミとイギリスで生活を送っている様子。
・シンは連ドラの主演を果たす人気俳優になっている。美里(舞)はシンのマネジャーになっている。
。
・ナナはイギリスの海辺の街で暮らしている
◯19巻
・この巻で奈々とタクミの間に生まれたレンは皐の兄ということがはっきり分かる。「皐が春休みに入ったら」という記述があることから、皐はおそらく小学1年生。
・奈々とタクミと離婚はしていないが、日本とイギリスですれ違いの生活を送っている。
・奈々とタクミの息子のレンはギターをやっていて、レイラとも仲が良い。
◯20巻
・ナオキもイギリスでタクミと会っている。おそらく結婚もしており、桃ちゃんという娘がいる。
・ナオキの言葉からレイラは歌手を引退している様子。
・最もトラネスの復活を望んでいるのがナオキ。
◯21巻
・ヤスは美雨と結婚している様子。
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◯『NANA』の結末
ここからは完全に私の想像になりますが、『NANA』の結末について考えてみました。
『NANA』の結末は大崎ナナと小松奈々の2人が再会して終わり、もしくはこれから再会をしに行く描写で終わり、このどちらだと思います。『NANA』には多くの人物が登場しますが、あくまで主役は2人のNANAであり、単行本の表紙も全て大崎ナナと小松奈々の2人のみが描かれています。
『NANA』は少女マンガの定番だったハッピーエンドのストーリーではなく、人間の嫌な部分、弱い部分も多く描かれています。しかし、この作品を通して矢沢あいさんがいちばん伝えたかったのは、たとえどんなことがあっても、繋がり続ける絆があるということであり、2人のNANAが再会をするというのが結末として最もふさわしいと私は思っています。
◯出典
・『NANA 1巻〜21巻』矢沢あい(集英社)
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