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疑問:なぜベルーナドームのバッターボックス付近で虫が増えたのか

 ライオンズファンの私は気になっていることがあります。

 「ベルーナドーム、虫増えていないか?
 なぜかバッターボックスの付近で・・・。」

 ベルーナドームで虫が発生するのは以前からの周知の事実ですが、ある時からバッターボックス付近で虫が発生して、選手がタイムを掛けることが増えた気がします。私は今年(2023年)、ベルーナドームで試合の観戦もしましたが、観客席で虫が気になることはありませんでした。なぜ、ベルーナドームのバッターボックス付近で虫の発生が増えたのかを今回は考えていきます。

○ベルーナドームの虫事情

 まずはベルーナドームの立地について。ベルーナドームは埼玉県所沢市上山口2135、狭山丘陵の中に位置する自然共生型のドーム球場です。天井は覆われているものの、スタンドの周囲は開放されているため、虫が入りやすい環境にあります。

 狭山丘陵にはダイミョウセセリという黒い蝶、キイロスズメバチ、カブトムシやクワガタなど多くの虫が生息しています。宮崎駿監督制作のジブリ映画『となりのトトロ』の舞台のモデルにされた場所と説明すれば、イメージできる人も多いのではないでしょうか。

○高温多湿になりやすいベルーナドームの立地と環境

 全ての虫がそうというわけではありませんが、虫は高温多湿の場所を好む傾向があります。ベルーナドームはプロ野球の試合を開催するために西武園球場を改築して、1979年に西武ライオンズ球場として誕生しましたが、地面を掘り下げて、傾斜の部分をスタンドにするという方式で建設がされました。そのため、ベルーナドームの立地は周りが山や丘陵で囲まれた盆地のような状況になっています。盆地の京都は気温が高いことで有名ですが、盆地は周りの山や丘陵によって熱や湿気が中にこもりやすいため、高温多湿になりやすいという特徴があります。これがベルーナドームが高温多湿になりやすい理由です。

○バッターボックス付近で虫の発生が増えた背景

 狭山丘陵にはたくさんの虫が生息しており、ベルーナドームは高温多湿になりやすい環境にありますが、何もここ数年でそうなったわけではありません。しかし、明らかに最近はベルーナドームのバッターボックス付近で虫が発生することが増えました。その原因について考えていきます。

①最初の報道はいつだったのか

 ベルーナドームのバッターボックス付近での虫の発生について、大手メディアが最初に報道をしたのはいつだったのか。私が調べた限り、最初の報道は2022年8月19日でした。審判がバッターボックス付近で虫よけスプレーを使用して、虫を退治したことがスポーツ報知で報道されました。ただ、2022年はこの日よりも前の段階で選手が虫の影響でタイムを掛けることが頻繁にありました。2021年までもそのようなことはあったと思いますが、目に見えて増えたのは2022年シーズンからだと思います。

②2017年〜2021年に180億円を掛けての大規模改修

 ベルーナドームは2017年のシーズン終了後〜2021年のシーズン開幕前の3年半の間に180億円を掛けて、ドーム周辺エリアを含む大改修を実施しました。その際にドーム内の照明をLED照明に変更をしたのですが、LED照明は通常の照明と比べて、一部の虫が寄りつきにくくなるとされています。これは考え方を変えると、今までは照明付近に集まっていた虫が照明以外の場所に集まるようになった可能性があるということです。また、LED照明は通常の照明と比べて紫外線が非常に少ないのですが、紫外線がゼロというわけではありません。紫外線に集まる虫も多いのですが、ちょうどバッターボックス付近に紫外線が集まり、そこに虫が集まっている可能性も考えられます。

③狭山丘陵で虫が急激に増えた

 照明の変更でバッターボックス付近の虫が増えた可能性は考えられますが、照明の変更は2020年シーズン開幕前に実施されたため、これが最も大きな要因ならば、2020年シーズンから虫の発生が増えているはずです。そのため、別の要因についても考えました。

 いろいろと調べた結果、2022年から狭山丘陵で虫が増えていることが分かりました。2022年12月13日にNHK首都圏ナビで報道された内容によると、狭山・多摩丘陵でミズナラやコナラなどの木が枯れるナラ枯れの被害が拡大しており、都立公園の被害は2019年と比べて30倍近くに増えているそうです。この原因がカシノナガキクイムシという虫の繁殖が増えていることだそうです。

○まとめ

 ベルーナドームのバッターボックス付近で虫が増えた理由について、私は照明を変更したことと狭山丘陵で虫が増えたこと、この2つの要因が大きいと思います。しかし、この2つが全てではないと思いますし、全く予想していない理由が隠されている可能性もあります。今後もベルーナドームの虫事情には注目して、新しい事実や可能性が分かった際には改めて取り上げていきます。


○出典
・埼玉西武ライオンズ 2023年9月5日
https://www.seibulions.jp/

・所沢ナビ 狭山丘陵の生きものたち(夏編) -比良の丘周辺の花々と虫たち 2023年8月30日
https://tokorozawanavi.com/column-nagaishi20230830/

・スポーツ報知【西武】ベルーナドームで球審が虫よけスプレー噴射真夏の珍光景、妨害防止 2022年8月19日
https://hochi.news/articles/20220819-OHT1T51209.html?page=1

・Beamtec 株式会社ビームテック LEDの光には虫が寄ってこないって本当?その理由について解説! 2018年1月26日
https://beamtec.co.jp/select/led%E3%81%AE%E5%85%89%E3%81%AB%E3%81%AF%E8%99%AB%E3%81%8C%E3%82%88%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%93%E3%81%AA%E3%81%84%E7%90%86%E7%94%B1%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%E8%A7%A3%E8%AA%AC%EF%BC%81/

・NHK首都圏ナビ トトロの森もナラ枯れ被害 狭山・多摩丘陵など都立公園3年で30倍 2022年12月13日
https://www.nhk.or.jp/shutoken/newsup/20221213b.html


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