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プロ野球の運営会社はどんな会社?♯ 3 株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)

◯はじまりはオークションサイト、その後、モバイル事業で拡大

 ディー・エヌ・エーの歴史は1999年、オークションサイトの運営から始まりました。ディー・エヌ・エーの設立者である南場智子さんは元々、マッキンゼーというコンサルティング会社に勤めており、今後、インターネットが生活に不可欠なものになるのを見抜いていたことから、インターネット関連の会社を立ち上げました。しかし、Yahoo!オークションがインターネットオークションの市場で一強状態となったため、方針を変更。携帯電話のオークションサイトがまだ発達していないところに目をつけ、2004年にモバオクを開始、これが成功したことでモバイル事業を拡大、2006年に携帯電話ゲームサービスのモバゲータウン(現在のモバゲー)を開始、これが大成功して、ディー・エヌ・エーの実績と認知度が一気に向上、2008年にモバゲータウンの会員数は100万人を突破しました。

◯ベイスターズ買収から始まったスポーツ事業

 今となってはディー・エヌ・エーはゲームの会社というよりもベイスターズを運営している企業というイメージを持っている人が多いと思いますし、実際、ベイスターズ買収からディー・エヌ・エーの事業内容は大きく変わっていきました。

 ディー・エヌ・エーは2010年シーズン終了後にベイスターズを買収しましたが、その後、2013年に陸上チームDeNA Running Club(現在のDeNAアスレティックエリート)を創設、2016年に横浜スタジアムを子会社化、2017年からバスケットボールB1リーグの川崎ブレイブサンダースを運営、2021年からサッカーJ3のSC相模原への経営参画(2023年から子会社化)、ベイスターズの成功体験を基にスポーツチームの運営に力を入れています。

◯結局、ディー・エヌ・エーはどの事業で利益を出しているのか

 現在、ディー・エヌ・エーはゲーム事業、ライブストリーミング事業、スポーツ事業、ヘルスケア・メディカル事業、新規事業・その他の5つのセグメントに分かれています。2023年6月23日に提出された有価証券報告書報告書によると、2023年3月期、つまり2022年4月1日からの1年間の純利益(ディ・エヌ・エーの有価証券報告書では『親会社の所有者に帰属する当期利益又は損失』と記載)は約88億円でした。

 ディー・エヌ・エーの事業の中で最も利益を出しているのはゲーム事業です。2023年3月期、つまり2022年4月1日からの1年間で約95億円の利益を出しています。2023年3月期に利益を出しているのはゲーム事業のみで、ゲーム事業が他の事業の損失を補っているかたちになっています。ベイスターズが含まれるスポーツ事業は2300万円の損失を出していますが、スポーツ事業はゲーム事業の次に利益を出せる事業になっており、ベイスターズ関連に絞れば、確実に利益を出しており、ベイスターズが他のスポーツ事業の損失を補っているのだと思います。

 かつてのプロ野球は球団を所有することによる企業の知名度アップやイメージアップの代償として多額の損失を出すことが当然になっていましたが、現在は球団運営自体が利益を出すことができるコンテンツなっており、それをディー・エヌ・エーが証明したかたちになっています。


◯出典
・DeNA:株式会社ディー・エヌ・エー 2023年10月30日
https://dena.com/jp/

・DeNA:株式会社ディー・エヌ・エー 有価証券報告書等 2023年10月30日
https://dena.com/jp/ir/library/report.html

・DeNA:株式会社ディー・エヌ・エー 沿革 2023年10月30日
https://dena.com/jp/company/history.html


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