『DMM Okan』のサービス終了から学べる事


この記事はDMMの家事代行サービス「DMM Okan」が終了したことを分析して同業または類似のサービスに活かせる戦略を記事にしています。


DMMの家事代行サービス「DMM Okan」ですが2016年末の開始から2018年9月のサービス終了まで2年弱。細かい分析は他の記事をご覧いただくとして

https://kajifull.com/service/dmmokan/

https://market-place.hatenadiary.jp/entry/dmm-okan

では、なぜなのかではなくどうすれば良かったのかなどを含めて成り立たせるための方法を考えてみたいと思います。

課題1

まずサービス提供側としての人材(以下とりあえず家政婦と表現します)この家政婦がDMM Okanでは意外と女子大生などの若い人材が多かったようです。そこはDMMというプラットフォームやブランドを考慮すると納得ですが、同業他社と比べてもかなり武器というかメリットというかDMMの強さが現れる領域だったと思います。

それを踏まえて何か致命的な問題で、例えば人が襲われたとか、監禁されたとか、こういったサービス提供の際にリスクや懸念としては家政婦側にも事業者側にも必ずそのようなトラブルは少なからず生じるリスクがあり、かつ避けられないリスクです。

ですからまずは家政婦の安全というものを第一義的にプラットフォームが整備すると同時にサービスの正しい運用や概念の理解を広めていくことも重要になります。


課題2

いくら女性だからといっても全員が同じ経験値で同じ品質を保てるわけがありません。やはり品質の問題は必ず発生するわけです。これについてもプラットフォーム側で品質の指導や教育なども必要になります。


課題3

スケジュールのマッチングにも課題が生じます。ポイントは稼働率です。正社員雇用であれば稼働率は労働集約型の典型として生産性に直結しますし、バイト・パートであっても必ずマッチできるとも限りませんし急な休みも許される立場になってしまいます。短時間勤務の場合はこのあたりは品質の問題が必ず生じるあたりです。業務委託であればそもそも女性は好んでこういった責任が強く生じる自営業形式は取りにくいものです。


課題4

雇用するのか業務委託するのか。実は非常に重要です。全く運用管理の手法が異なるのでハイブリッドであればさらに煩雑なオペレーションで高度な管理体制を必要とします。


ほかにも課題はたくさんあるでしょうが、やはり課題が大きいです。

では具体的に解決策はどうすれば良いのかを考えてみたいと思います。

ビジネスモデルのご提供

解決策1

家政婦をランク分けします。おおよそ3段階あれば十分ですが、規模が大きかったりビジネスとして展開する際には5段階程度あってもよいと思います。

A,B,C,D,Eでも構いませんし、達人~初心者、みたいな表現でも構いません。そこで明確にランク分けする際に定めるスキルマップを明確にします。これは家政婦側にもユーザー側にも明文化して両者が把握できるようにします。
また、このスキルマップがあくまでも適正であり適切でなければサービスがうまくいきません。


解決策2

出来ることと出来ないことを明確にしたうえで、さらにそのスキルマップ上で家政婦個々のカルテ(品質一覧表や通信簿のようなもの)を用意します。最初は自己申告でも良いですが、できれば自己申告を実際に精査する機会をプラットフォーム側が持って、実際のスキル項目ごとにさらに1~5までの5段階程度で品質をランク付けします。

月に一回でもいいし、3か月に一回などで四半期ごとに品質のランク付けを最新にしていきます。何月何日更新と分かるようにカルテ上でもユーザーも把握できなければなりません。

そこで洗濯や掃除や料理が得意か不得意かなどが把握できるわけです。
ユーザー側でも料理が1の人に料理を作ってもらおうとは思いませんし、1だったら家政婦側も開き直れるわけです。もちろん家政婦の希望で料理は不可などのNG項目もあってよいでしょう。

つまり家政婦だからと言って何でもかんでも家事をやる、家事ができるという前提でこのサービスは成り立ちにくいというわけです。

なお、カルテの顔写真の有無についてはプラットフォーム側の戦略次第ですが、基本的に健全な運用には不要がよろしいと思います。


解決策3

家政婦のランクごとに利用料金を区分けします。当然すごい人は多くもらえるし、自信がない人は自信が無いなりに頑張れる仕組みであるというわけです。加えてランクが最初から明確なわけなので家政婦側にもプレッシャーも少なく過大な要求も最初からなく、過度なプレッシャーを家政婦側も感じる必要がありません。


解決策4

プラットフォーマー側で非常に重要な戦略がクレーマー対策でもあります。上記のように1~3までの対策までをしている中で過度な品質提供のズレは生じなくなるわけです。
つまり出来が悪くても安い人に頼んでいるわけだから失敗や品質の悪い面があるのは当然ですよね?という運用に仕上げていく必要があり、同時に一定水準以上のサービスを受けたいならやはりこの程度の金額は必要ですよね?というサービスにも仕上げていくために上の水準のお方はとことん高水準でサービスを提供しているという評判や実績が不可欠です。

そうすると、多少高くてもよい人を呼びたいとなりますし、高い金額が得られるランクが上の立場になりたいと家政婦側も思うわけですから好循環が生まれます。

結果的には安い品質のサービスや家政婦は存在するが、ほとんど実用的には重視されないという図式が成り立つわけです。


以上がざっとした運用の解決方法ですが、細かい点ではもっとたくさんの論点があります。例えばプラットフォーム側でアサインをする際にはどうするか、家政婦の品質管理手法やユーザーのリスク対策などなど、盛りだくさんですね。
しかし、オペレーションをしっかり行って人材確保を確実に行っていけば今後も伸びる業界ですから上記の運用方法などでよりユーザー側も適切に利用できる雰囲気が国内でも浸透していけばいいですね。


上記の件については該当業種以外でも業種を問わず要請があれば時間とタイミング次第では業務改善のコンサルや実働で手伝える可能性もありますので困った際にはコンサル依頼でお声がけいただければ幸いです。



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