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【映画】アデライン、100年の恋

※この記事は映画レビューを含むため、ネタバレやあらすじが途中出てきますのでご注意ください。


王道ストーリー ★★★★☆
面白さ     ★★★☆☆
映像面     ★★★☆☆
2015年10月17日公開


不老不死の総集編のような映画

これまで、様々な作品の中で「年を取らなくなった」という存在やキャラクターの話を見てきた。
この設定は何も映像に限らず、小説や絵本、アニメも分け隔てなく出てくる。不老不死の設定はパターンがあって「若いまま・美しいまま」という設定と「死を迎えることはないが体は傷ついて治ることがない・体は別で老いていく」という設定がある。

たいていの作品は前者で、若くて美しい、傷が出来ても治ってしまうようなパターンが多いように思う。
吸血鬼(バンパイア)なんかがわかりやすく 怪我をしても時間が経てば元通りとか あるいは神様といった神々しい存在でたちどころに傷を癒してしまうようなものもある。

そして後者はというと、不死の竜とかになってくると体は戦いの傷が残っているが~~という調子で命だけはご長寿・というパターン。
両方とも非常にポピュラーだと思う。

そして不老不死といえば、お決まりの悩み。
「孤独になってしまう」というもの。
こちらも何故だかお決まりパターンともなっていて、自分だけが不老不死で仲間や家族は死んでいくというスタイルによって、自分を知っている存在は皆死に絶えて、不老不死の存在は孤独を感じる…というのもお決まりのテーマで存在している。

今回レビューする映画は、「不老不死」「孤独」という定番の王道を貫く映画だった。

ある事故をきっかけに歳をとらなくなってしまい、名前を変え、住む場所を変え、点々と逃げ回る生活。まだ未成年だった娘は成人し、おばあさんになっても若々しい母のまま。おばあさんのほうが、目の前の女性に対してお母さん・と呼ぶ、というシーンに不老不死だとこうなってしまうリアルを感じる作品だった。

一見ありきたりの話でもあったが、ファンタジーではない妙なリアルさ…「正体を隠す生き方」「一人残されそうになっていく現実」「100年生きてきた積み重ねた知識」といった、決して目立った派手さのある映画ではないのに、静かにたくさんの苦悩が散らばった映画でもあった。
そしてこの映画のポイントともいうべきは、タイトルの通り「恋」ということ。

「正体を隠して恋をする」

それは恋人をだますこと以外に、年を取らないという現象を受け入れてもらえるのかという苦悩を抱える。
正体を隠しながらも恋ひかれていく主人公の前に、昔の恋人まで出てくるわという繋がっていく…という本当に大きく派手に出来事が動くのではないのに目が離せないストーリー展開。

この映画を見た時は、学習をしながら流し聞いていたが、ストーリーのテンポも良く程よく流し見るのに最適。

のんびり見るには最適な映画だと思う。


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