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実は、しあわせです

昨夜はなぜか眠りが浅かった。エアコンをつけているので、寝苦しいわけではない。食べ過ぎて苦しいわけでもない。寝る前に甘いものを食べて、夜中にオエッ!となったわけでもない。当然、夕飯に食べた牛肉の脂を体が受け付けずにがオエッ!となったわけでもない。年齢の割に肉は食べられる方だと自負している。

ちなみに、以前は夜中によくオエッ!となっていた。いわゆる逆流性食道炎というやつだ。年齢的なものもあるのかもしれない。最近は夜9時以降にケーキなどを食べるのを控えるようになったためか、そんなこともなくなった。

昨夜は寝付けない原因となるものに心当たりがなかったが、ただただ眠れなかった。眠れないというより、ベッドの上で目を閉じているものの、寝ているのか起きているのかよくわからない状況だ。

気が付いたら時間が経過していた。恐らく寝ていたのだ。しかし、一旦目が覚めるとまた眠れない。

考えれば考えるほど眠れなくなる。明らかに悪循環というやつだ。考え続けた結果、一つだけ思い当たることがあった。

たまたまテレビ番組で見た4,000円のショートケーキだ。

決して、映像を見てオエッとなったわけではない。


別世界の話なのか?

4,000円のショートケーキが食べたいという話ではない。

シャトレーゼのケーキで十分なのだ。ヤマザキの2個400円くらいのイチゴショートも美味しいと感じるし、たまにイオンで開催されている1個100円のケーキバイキングのモンブランも美味しい。

100円でも幸せを感じられるのだ。
では、何が問題なのか……

4,000円のショートケーキが選択肢に含まれていないことがモヤモヤの原因なのだ。4,000円のショートケーキの前には2,000円のかき氷が紹介されていた。

ちょっと待て!かき氷だろ?

と、全オレが否定する。ただの氷だ。いや、ただの氷ではないのかもしれないが、氷には違いない。放置しておけば融けてH2Oになってしまうものだ。古いアルバムの中に想い出はいっぱいあっても、何の腹の足しにもならない。消化する前にH2Oになってしまう。もちろん、大人の階段は登れない。

残念ながら、私にはその選択肢は最初からなかった。しかし、どうして2,000円のかき氷、4,000円のショートケーキの選択肢がないのだろうか。少し考えてみたら、答えは案外すぐに見つかった。

別世界の話だったのだ。

私にとってはドラえもんの世界と同じだ。ワンピースの未来島エッグヘッドと同類なのだ。テレビの中の世界であり、自分とは全く交わることのない人たちの食べ物に違いない。未来島の島エアコンレベルの話だ。実在するのかどうかも怪しい部類なのだ。

いや、違う。
単に知らなかっただけなのだ。

しかし、知ってしまった。未来島の島エアコンが実在することを。ではなく、4,000円のショートケーキや2,000円のかき氷がこの世に存在することを。

それでもなお、選択肢には入らない。

似たような価値観

ありがたいことに、妻も私とほとんど同じ価値観を持ち合わせている。彼女の選択肢の中にも4,000円のショートケーキや2,000円のかき氷は存在しない。

ただし、彼女の場合は更に別世界の人間である。彼女の選択肢にあるのは150円の焼き鳥と400円の刺身くらいだった。それで充分幸せなのだ。割引シールが貼られていると、更に幸せを感じるという特異体質でもある。

しかし、子どもたちはどうだろうか?

もしかして、何らかの我慢をさせているのかもしれないし、そうではないかもしれない。基本的に我が家の子どもたちは親と似たような価値観を持っているような気がする。だから、どちらかといえば我慢させているとは思わない。

では、なぜモヤモヤするのだろうか?

気が付けば低所得者だった……

モヤモヤするのは、自分が低所得者だと気がついたからだ。実は今まではそんなに考えたことがなかった。

それなりに大きな家に住んでいる。家のローンも払い終わった。完全に自分の持ち家なのだ。この年齢でローンを払い終わったことに満足している。

車も持っている。普通車だ。若い頃はカッコイイスポーツカーなどにも多少の憧れがあったが、今となってはそんな憧れは無い。剣道の防具を積んで移動できることの方が重要だ。

しかし、気が付けば低所得者だったのだ。

バブルがはじけ、就職氷河期が始まった。大企業に問い合わせても「今年は募集しません」と言われることも多かったことをよく覚えている。そんな中でも中小企業に就職でき、同期の中では出世頭だった。

娘が生まれた直後に東京営業所への出向を言い渡され、退職。転職先はすぐに見つかった。給料は減ったが、それなりに面白い仕事だった。

しかし、数年後にストレスがMAXの状態となり、子会社に転籍。さらに給料は減った。激減だった。

年収は半分近くまで減ってしまったが、仕事でのストレスは激減したことでそれなりに満足していた。剣道の稽古にも今まで以上に参加できるようになった。そのお陰で七段の昇段審査も合格できた。

折しも、子どもも大きくなり、妻の勤務時間も長くなったことで、世帯収入は少し減った程度だった。

とはいえ、少ない。二人で一人分くらいなのだ。

えっ?そんなに貰ってるの?

先日、たまたま定年間際の地方公務員と話すきっかけがあった。60歳になると再任用となり、給料が今の7割くらいになるらしい。さらに63歳になると、今の半分近くまで減るとのこと。

聞いてびっくりした。なんと、その人の「半分近く」は私の「今の給料」とほとんど変わらないのだ。

えっ?あんた、そんなに貰ってるの?

と、衝撃を受けた。残念ながら、学歴だけなら私の方が上なのだ。どこでどう間違ったのかとも考えたが、そんなことを今さら言ってもしかたがない。ただ、受けた衝撃は、心のどこかに引っ掛かり、見えないところでハイジのブランコ以上にぶらんぶらん揺れていた。

そんな出来事があった後に知った4,000円のショートケーキだった。

モヤモヤの正体は、この一連の流れにあったのだ。しかし、そのモヤモヤは一気に吹き飛ぶことになる。

幸せは自分の心が決める

今朝、ある人がリツイートしていた動画を見た。カマたくさんだ。

カマたくさんの言葉は、なぜか心に刺さる。グサグサ来る。以前買った書籍をまた読み直してみようかと考えたくらいだ。ちなみに、「お前のために生きてないから大丈夫です」は、予約して買った。なぜ予約したのかは謎だが、その時に必要と感じたのだろう。

カマたくさんの言葉を聞いてから思い出した。自分がしあわせだということを。モヤモヤする必要などなかった。

良く考えてみたら、私の職場PCのデスクトップ画像は、相田みつをさんの画像だ。拾い画を勝手に加工して貼り付けている。

そうだ、これで良いのだ。天才バカボンのパパのように毎日が楽しい。それなりに幸せというよりも、かなり幸せなのだ。周りにウナギイヌやレレレのおじさんや本官さんはいないが、日々楽しく過ごしている。

心は既に十分満たされていた。

4,000円のショートケーキや2,000円のかき氷を食べる必要などない。だから、もう、いつ死んでも良いとさえ思っている。

とはいえ、そんなにすぐに死ぬとも思えないので、今からできることはやっておこうと思う。

実は私自身も、あと9年で定年を迎えることになる。定年後も今の幸せを維持するために、Webライティングと真剣に向き合おう。とりあえず、保留してあった取材先に日程を連絡するところから……

ところで、SNSでは頻繁に現金配布お姉さんからフォローされる。しかし、しあわせはそこじゃないんだ。姉さん、まだまだ青いな。

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