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【中1の娘に伝えたいお金の授業】009/公的医療保険の基本

【中1の娘に伝えたいお金の授業 ~プロローグ~】

●●、今日から、中学校では教えてくれない「お金の授業」をしていこうと思います。

今後、社会人になるうえで、絶対に身に付けておいた方がいいのが「お金の知識」なんだ。でも、中学校ではほとんど教えてもらえない。だから、学校の先生に代わって、パパが授業をしようと思います。

今すぐ全部を覚える必要はないよ。学校の勉強も忙しいからね。でも、お金のことで困った時、ぜひこのnoteの存在を覚えておいて欲しい。人生につまずきそうになった時、きっと役立つことが詰まっているはずだから。

【第9回】~公的医療保険の基本~

※前回のおさらいはこちら

前回は「社会保険って一体なに?」という話をしたよね。そこで今回は「社会保険」のなかでも、●●もお世話になっている「医療保険」について詳しく解説していくよ。

■3つの「公的医療保険」

●●は、「健康保険」って知っているかな? 

おそらく病院に行った時、受付で「健康保険証を出してください」と言われたのを聞いたことがあるよね。そう、病院に行ったときに提示を求められるのが、健康保険に入っていることを証明する健康保険証なんだ。つまり、●●も、しっかりこの健康保険のお世話になっているってことなんだ。

社会保険は、5つの種類があることは前回の授業で教えたよね。医療保険、介護保険、年金保険、労災保険、雇用保険。このうちの「医療保険」のひとつが健康保険なんだ。

医療保険には、以下の3つの種類があるんだよ。

【健康保険】・・・会社員とその家族が対象
【国民健康保険】・・・自営業者などとその家族が対象
【後期高齢者医療制度】・・・75歳以上の人が対象

■押さえておきたい保険制度の重要ワード

これから数回に分けて保険制度に関する授業をしていくけれど、その前に押さえおきたい重要なワードがある。それは「保険者」「被保険者」「被扶養者」という3つの言葉だ。これをちゃんと理解しておかないと、保険の全体像を把握するのは難しくなるので、しっかり頭に入れておこう。

【保険者】・・・保険制度の運用主体

運用主体というと、ちょっと難しくて分からないかもしれないね。それぞれの医療保険を見ていくときに詳しく解説することになるけど、医療保険の種類によって、取り扱っているところが違う。国や地方自治体など、その保険を取り扱っているところのことを「保険者」っていうんだ。

【被保険者】・・・保険の対象となっている人

これも難しい言葉だよね。「被」という言い方は独特で、法律関係の世界ではよく出てきたりするんだけど、中学生だと理解できないかもしれないね。例えば、ドラマなどを見ていると「被害者」という言葉を聞いたりするよね。「被害を受けた人」という意味になるけど、それと同じように「保険を受ける人」のことを指すのが「被保険者」というわけだね。

【被扶養者】・・・被保険者の扶養家族

さらに「被」が付くのでややこしいけど、さっきの話と同じように「扶養を受けている人」という意味だね。「扶養」というのは「養う」という意味の言葉。つまり、パパやママが働いて●●の生活の面倒を見ているので、●●はパパやママの被扶養者というわけだ。

保険における「被扶養者」は「被保険者の扶養家族」を意味する。ただ、この被扶養者には条件があって、「一般的に国内に住所があり、年収130万円未満(60歳以上または障害者については180万円未満)で、かつ被保険者の年収2分の1未満である人」と定められているんだ。被扶養者というのは「養われている人」と説明したけど、その被扶養者が年収130万円を超えていたら、「それだけ稼いでいるなら養われているとは言えないよね?」と判断されるってことなんだ。

この「扶養」という考え方はとっても大事なんだ。税金にも関連する言葉なので、ぜひ基本的な考え方を覚えていてほしいな。

■パパからのアドバイス

●●の場合、社会人になってまずお世話になるのは「健康保険」もしくは「国民健康保険」になるね。いきなりフリーランスとして働き始める、アルバイトなどで生計を立てる、といった場合を除いて、多くのケースで「社会保険」に入ることになると思う。その一方で「後期高齢者医療制度」は、高齢になってからの制度なので、今のところは覚えておかなくて大丈夫かな。

実は「後期高齢者医療制度」という制度は、2008年から始まったもので、それ以前はなかったんだ。要するに国の制度は、時代や社会の変化によって変わるってことなんだよ。

社会人になったらもう何も勉強しなくていいと思ったら大間違い。●●には、常に新しい情報をキャッチし、柔軟に対応していける力を養ってほしいな。


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