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アーリーリタイアの「不都合な真実」

こんにちは。ひらっちです。4連休の2日目ですね。昨日は仕事で広島に出張、そして今日は朝4時から収穫作業でした…。お昼からは少しゆっくりできるといいなぁ~。

<いつもの簡単な自己紹介です>

僕は、地方国立大学を卒業後、ブラック企業で営業マンを経験。その後、フリーランスのライターとして独立開業、さらに数年後、新規就農して農業をスタートさせ、2020年現在、好きな仕事を選びながら人生を謳歌する「ほぼセミリタイア生活」を実践しているアラフォーです。

このnoteでは、特に20・30代のビジネスパーソンの皆さんに、僕の経験に基づいた「人生を楽しく過ごすための技術」を提供し、少しでもたくさんの方に「幸せな毎日」を掴んで欲しいと考えています。どうかお付き合いください。

仕事を辞めてアーリーリタイアするのって、そんなにいいですか?

あらためまして、ひらっちです。今日は「お金」について、特に「アーリー(早期)リタイア」について考えてみたいと思います。

このnoteでは、僕が「ほぼセミリタイア生活」を実践しているという前提で、いろんなテーマについて書いています。

なので、フォローしてくださったり、スキを押してくださっている方の中には、「僕も早くリタイアしたい!」「私も仕事をせずにすむ生活を手にしたい!」といった方が、それなりにいらっしゃると思います。

でも、すでにお気づきかもしれませんが、僕は「リタイア=仕事をしない生活」をしているわけではありません。リタイアできる状態にはあるけれど、そのまま仕事も続けている。もちろん嫌な仕事はお断りすることが多いですけどね。

では、なぜリタイアしないのか? それは、アーリーリタイアの現実は、それほど良いものじゃないと思っているからです。

そのアーリーリタイアは、相当なリスクを負った結果かもしれない

世間には、「30・40代でリタイアを実現」なんて成功者の本が出版されていたりします。それだけリタイアしたい人が多いということなんでしょうね。

もしかしたら、その内容に感化されて「僕も同じことを実践しよう!」なんて考えている方もいるかもしれない。でも、もしあなたの近くに僕がいたとしたら、「少し冷静に考えたほうがいいよ」とアドバイスすると思います。

そもそも、アーリーリタイアの前提となっているのは、引退できるだけの資産を確保していること。株にせよ、不動産にせよ、投資に対するリターンを得るためには、元手となる資金が必要ですからね。

元手となる資金をためるためには、サラリーマンとして稼いでコツコツ貯める方法もあれば、株でドカンと当てる方法もある。まさに人それぞれです。

でも、仮に30歳で引退できる資金を手に入れるとなると、自分の事業や投資で相当なリスクを取ったり、仙人レベルの節約をしたりしないと、現実的にはかなり厳しいと思います。

節約であれば真似できる部分も多いかもしれない。一方で、投資の場合、リスクに応じてリターンがあるというのが大原則ですから、その成功者が手にした資産は、かなりハイリスクで投資をした結果手にしたものである可能性がある。要するに「たまたま成功しただけ」ということがありうるわけです。

となると、その成功者を真似しても、かなりの確率で失敗することになります。前提となる資金をどのように手にしたのか。まずはそこに着目しないと、老後に向けた資金を逆に減らしてしまうことになりかねないのです。

アーリーリタイアが成功かどうかは、人生を終える時にしか分からない

さらに問題なのは、アーリーリタイアを実現した人の評価は、あくまで過去をもとに現時点を見て判断したものでしかないことです。

例えば、30歳で引退を決めた人が、最終的に成功だったかを判断できるのは、本来「死ぬとき」であるはず。現時点で悠々自適な生活を送っているかどうかは、成功を判断する材料になり得ないはずです。

では、30歳でアーリーリタイアを決断し、90歳ごろに自分の成功談を書いた本が出たとしたら、その本を真似すればいいでしょうか? ダメですよね。すでに世の中の情勢は大きく変化しているわけですから。

アーリーリタイアの最大の問題点は、あくまで「現時点での評価しかできないこと」。今はいいかもしれない。悠々自適の生活が送れるかもしれない。でもその後、社会に大きな変革が起こった時、あまりにも脆弱なのです。

「Don't put all your eggs in one basket(すべての卵を一つのカゴに盛るな)」

これは投資の世界の有名な格言です。投資資金のすべてを1銘柄に注ぎ込むのはリスクが大きすぎるという意味ですが、アーリーリタイアは、まさに自分の人生をかなり極端な方向に賭けていることに他ならないのです。

未来の経済は誰にも見通せません。コロナを予測できた人もほとんどいなかったと思います。経済状況が急激に変化した場合、過去をもとに描いた筋書きは、大きな書き換えを余儀なくされる可能性が高いのです。

アーリーリタイアは、低所得者の恩恵を受けることになる

あと、配当収入を前提にしたアーリーリタイアって、そんなにカッコよくないんですよね。それは、結果的に「低所得者の優遇」を受けることになるからです。

金融資産から得た利益には税金がかかりますが、自動的に税金分を徴収してもらえる仕組みが用意されています。

この仕組みで税金が徴収された分の利益は、さまざまな行政サービスを受けるときの基準となる「所得」には含まれません。なので、株などからたくさんの利益を得ていたとしても「低所得者」という状態が生まれてしまうわけです。

日本では、低所得者のための優遇措置がたくさん設けられています。例えば…

・国民年金保険料の支払免除(それでも半分は年金がもらえる)

・国民健康保険料が劇的に安くなる

・高額療養費制度の月額上限が大幅に下がる

・公営住宅の家賃が格安になる

・子供の学用品の援助が受けられる

・大学の奨学金が受けやすくなる。

…とまあ、挙げ始めるとキリがありませんが、年間所得を基準に決まるサービスが多いため、その恩恵をフルに受けられる状況になる、というわけです。

もちろんルールに則っているので「知らない人が悪い」という理屈も通るかもしれませんが、見方によっては「フリーライダー(ただ乗り)」みたいなものですから、けっして賞賛を浴びるような状況ではない。

きちんと仕事に汗を流したり、自分でビジネスを成功させたりして、たくさん税金を払う人の方がカッコいいと個人的には思うわけです。

ただ、「鉄壁の防御」となりうる知識を手に入れておくことは、とても大事だと思います。人生はうまくいかない時もある。そんな時にどうやれば自分を守れるのかを知っておくことは、大きな安心感につながるからです。

投資などの知識は、いわば「小金持ちの剣」みたいなもの。そこに鉄壁を防御を誇る「貧者の盾」を組み合わせれば、勇者でも何でもない「一般の村人」でも、資本主義社会という厳しい世界でもそれなりに戦い続けることができるはずです

■まとめ

僕が考える「ほぼセミリタイア」の本質は、リタイアできるぐらいの状況を作り出し、自分が本当に好きなこと、情熱を注げる仕事を選び、働き続けることだと思っています。

お金に追われることがなくなれば、自由を手に入れられる。それこそが大事であって「仕事を辞めて遊ぶこと」を目的にしているわけではないのです。

「マネースキル(お金の知識や投資の技術)」だけで生きるのではなく、「ワークスキル(仕事の知識や能力)」、「ライフスキル(自給自足の知識や技)」を磨きあげて、どんな状況でも楽しく生きていける自分を作り上げたいものですね。

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