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月がきれいですね episode1.髪を短く切った彼女_後編1【シナリオ案】#テレ東ドラマシナリオ

「#テレ東ドラマシナリオ」のテーマに選ばれた大麦こむぎさんの「月がきれいですね」からプロットを少し書き、episode1だけでも執筆してみようと思いまとめました。

選択したテーマ

▼今回選択したテーマは大麦こむぎさんの「月がきれいですね」


テーマから膨らませたプロットとシナリオ案

▼プロットは以下のリンクからどうぞ!


▼episode1.髪を短く切った彼女_前編のシナリオ案はこちらからどうぞ!


▼episode1.髪を短く切った彼女_中編のシナリオ案はこちらからどうぞ!


episode1.髪を短く切った彼女

【シナリオ】

〇 放課後 フードチェーン店 (健太side)

田中「さて、”言葉狩り”の対象は、ある一単語だけ。だったら、その単語に類似する言葉を言えば万事解決じゃね?」

健太「類義語ってことか?」

田中「そうそう、じゃあせっかくだから類義語、LINEに片っ端から挙げるから、林気に入ったやつピックアップしてって。」

健太「なんか・・・・・・、すげえ複雑。つか恥ずかしい。」

田中「林はその羞恥心を捨てろ、俺だってなんで男同士でそんなワードあげてかなきゃいけないんだよ。可愛い女の子にLINE送りたいわ。うん、やっぱ餃子セットだけじゃ釣りあわないな。」

健太「田中は俺に恨みでもあんのか?そんなに俺を金欠にさせたいのか?!」

田中「はい、文句言わねえの。俺今調べてるから、10分待って。」

健太「いや、俺も調べるけど......。」

田中「林は、どうやって佐倉さん呼び出すか考えときなよ。」

健太「・・・うっす。」


×    ×     ×


〇10分後  (健太side)

田中「いや、○○って類義語だとこんなに表現あるんだな。」

健太「なんか、○○だけ聞こえないから、変な感じする。どれどれ。」

健太、LINEを覗き込む。

健太「めちゃくちゃあるな……。」

・恋をする ・ 好意を抱く・ 恋に落ちる ・ 恋する ・ 好意を持つ ・ 心を寄せる ・ フォーリンラブする ・ 好感を持つ ・ 恋愛感情を抱く ・ 心ときめく ・ 心を寄せる ・ 思いをかける ・ 慕う ・ 想う ・ 一途に思う  ・ 心を惹かれる ・ 恋愛感情を持つ ・ ときめく ・ 高ぶりを感じる ・ 恋い慕う ・ 恋心を抱く ・ 惚れる ・ 好感を抱く ・ 好意をもつ ・ 好意を持つ ・ 一目惚れする ・ 首ったけになる ・ メロメロになる

健太「(無言で読む)・・・・・。」

相手に好感を持つこと 好く ・ 好意を寄せる ・ 慕う ・ 好ましく思う ・ 親愛の情を抱く ・ 好感を持つ ・ 好感を抱く ・ 好意を持つ ・ 気に入る ・ 好意を抱く ・ 惚れ込む ・ 見初める ・ 惚れる ・ 惚れ込む

健太「(無言で読み終わる)・・・おかしい、俺がこんな風に言ってるのまったく想像できないんだけど。」

田中「(ため息をつきながら)はあっ、そうだよな。俺もなんか違うなと思いながら書いてた。」

健太「思ってたんかい!」

田中「俺、林が佐倉さんに「俺は佐倉に好意を寄せています。」なんて言ってるの全く想像できない。○○って、難しいんだな。勉強になる。フォーリンラブに至っては、ギャグとしか思えない。」

健太「田中は俺にさっきから恨みでもあるのかな~??俺にあたり強くね。」

田中「だって、林のせいで俺もうまく立ち回れないんだよ。」

健太「何の話?」

田中「俺、渡邉さんのこと好きだから。」

(ガタッ)

思わず席を立ちあがる健太、机にぶつかり痛そうにする。

田中「おい、気をつけろよー。」

健太「え?ええ?!いつから?そうだったのか、全然気づかなかった。」

田中「そりゃ、悟られないようにしてたから。相手もなかなか手ごわいし。」

健太「まじか……。いや手ごわいって、それ俺らの件となんか関係ある?」

田中「渡邉さん、佐倉さんのこと心配でちょくちょく俺にお前のこと聞いてくんの。俺も渡邉さんにアプローチしてるけど、気付いてないのか、気付いてて気づかないふりしている感じがする。後者だな、多分。」

健太「なんで、渡邉が気付かないふりしてるんだよ。」

田中「そりゃ、渡邉さん。佐倉さんのこと大好きだから。」

健太「?」

田中「だから女子の友情ってやつ。佐倉さんは気にしなくても、心の奥底ではいいな恋人ができてとか、私と遊んでくれなくなるのかなとか、彼氏の方優先しちゃうのかなとか、いろいろあるじゃん。」

健太「え、普通に祝わないか?」

田中「女子の友情は複雑なんだと。ソースは俺の姉さん。」

健太「女子の心理って難しい……。ってかお前は告白したら付き合える前提なのか?どうしてそう自信満々なんだよ。」

田中「そりゃ、分かるっしょ、ずっと好きだったんだから。態度で分かる。はあっ、俺も林のことあんまとやかく言えないんだよな。結局告ってないし。”言葉狩り”なんて起こるし。」

健太「それで、一緒に考えてくれてるのか……。あれ、これだと俺別に奢んなくてもよくね?」

田中「なんか言ったか?(怒)」

健太「何でもないです。」


×    ×     ×


〇さらに10分後  (健太side)

田中「言葉は難しいな、そうだ!行動で表現するしかないんじゃないか。スキンシップ、手をつなぐとか?」

健太「おまっ!大胆過ぎんだろ。」

田中「え?抱きしめるほうがよかった?」

健太「(顔真っ赤)・・・・・・。」

田中「俺は林の今後が心配になってきた……。佐倉さん絶対苦労すんじゃん。」

その時、田中のスマホが鳴る。

田中「わりっ、なんかバイト先から連絡来た。少し席外すな。」

健太「おうっ。」

田中は席を離れる。健太机に突っ伏して、ため息をつく。スマホをいじりながら、相手に好意を伝える方法を検索する。

健太「・・・プレゼントか。」

「○○な相手にプレゼントを贈る」というページが目に飛び込む。(文字も特定単語が表示できなくなっているため、「  」空白で表記されている。)

健太「(佐倉って、いったい何が好きなんだろ。俺はいつも佐倉から何をもらっていた?スポーツタオルとかか、てか俺って佐倉に何かお返ししたか。なんかお菓子しか返してないな……。)」

田中が席に戻ってくる。

田中「?どうしたんだよ」

健太「えっ、何が?」

田中「すげえ、百面相してて、顔が忙しい。」

健太「何だよそれ、てかバイトやってるのか。」

田中「いや、まだ面談だけ。春休みになったら働こうと思って、いろいろ探してんだよ。」

健太「へえっ・・・・。」

田中「そんなことより何考えてたんだよ。何か気づいたんだろ。」

健太「お前はなんで察するの、そんなに早いんだ。エスパーか、エスパータイプなのか?」

田中「(呆れ)・・・俺は、エスパーより、ドラゴンタイプだと思うけど。」

健太「なんだよそれ(笑)。まあいいか。・・・いや、俺さプレゼントしようかなって、佐倉に。」

田中ポカンとした表情で健太を見る。

健太「何だよ。その顔」

田中「いや、お前からその言葉を聞くとは……、なんか負けた気分。」

健太「お前そんなに俺の事、恋愛偏差値低いと思ってんのか?!(怒)」

田中「いやいや、今上昇したよ。偏差値52くらいに。(笑)」

健太「微妙に低くないか……。(怒)」

田中「まあまあ、・・・ところで何あげるんだよ。」

健太「えっ?」

田中「だから、佐倉さんにプレゼント。何あげるんだ?」

健太「ぜんぜん、思いつかないんだが……。どうしよう。」

田中「これは次の宿題か……。急がないと卒業式までかかりそうだな。」

健太「ちょっと考えてみるよ、今日はありがとな。」

田中「別にいいって!餃子セットとラーメン頼むな。」

健太「なんか増えてね……?」


×    ×     ×


〇放課後 ショッピングモール(美月side)

美月と香奈が街中を歩いている。バレンタイン商戦真っただ中で、チョコ販売が販促されている。

美月「はあ、もうすぐバレンタインか……。」

香奈「(じっと美月のほうを見る。)チョコおいしそうだね。ねえ、美月。私と一緒にチョコ作んない?」

美月「えっ?」

香奈「私、チョコ渡したい人がいるんだよね!」

美月「ええええええええ!誰?私の知ってる人??」

香奈「うん、知ってる人。」

美月「えっと、ちょっと言わないで、今考えてるから……!!」

香奈「(ニコニコ)」

美月「分かった……!田中君でしょ!」

香奈「せいかい~♪いや、美月はすごいね。気づかれてないと思ってたのに。」

美月「今言われて、もしかしたら……、そうかなって?ねえ、いつからなの?田中君のこと、○○だったの?・・・・・・もう!○○が言えないって難しい。じゃあ、じゃあ!いつから田中君に惹かれていたの?」

香奈「ふふ~♪いつからでしょうか。まあこれは今度うちでチョコ作るときに教えてあげる!」

美月「ええーーーー。」

香奈「はい、文句言わない!教えてあげるっていってるでしょ。」

美月「そうだけど、えっ、でも私も一緒に作るの、香奈ひとりで作りそうなタイプだけど。」

香奈「友チョコも渡したいんだよ!美月に。」

美月「香奈ーーーーーー!!ありがとう!!」

香奈「まだ作ってもないでしょ(笑)」

美月「でも嬉しい!」


×    ×     ×


〇放課後 ショッピングモール(健太side)

健太「なんか今年ものすごいチョコ推してないか?いくらバレンタインだからって。」

田中「そりゃ、”言葉狩り”なんて起こったからな。チョコで渡して伝えるって、すごく分かりやすいし。相手にも思いが伝わりやすいじゃん。」

健太「バレンタインかあ……。」

田中「そんな表情で言われても自業自得なんだからな。自分で頑張んなきゃだめだぞ。」

健太「分かってるって……。」

田中「あと、もう一つ気になってたんだけど。」

健太「何を?」

田中「林、関西の大学じゃん。もし告白うまくいっても、遠距離恋愛になるけど、そこんとこどうなの?」

健太「それでも伝えるよ。佐倉が寂しくないように、こっちにできるだけ帰ってくるし、連絡もする。まあそれも俺の独りよがりになるから、佐倉が嫌だって言ったらきっぱり諦める。その前に告白も受け入れてくれるか分かんないしな……。」

田中「そっか。まあ外野がとやかく言うのは野暮だしな。頑張れよ。」

健太「おうっ。・・・・・・!」

健太、ショッピングモールのある商品のディスプレイに目がいく。

田中「(健太の顔をじっと見て)・・・悪い、この後用事があってさ。また今度話聞くからさ。」

健太「いや、ありがとな。時間作ってくれて。」

田中「何言ってんだよ、当たり前だろ。じゃあまた学校でな。」

田中がその場を離れる。

健太はしばらくディスプレイを見て、お店に入った。


×    ×     ×


〇週末 渡邉家 キッチン(美月side)

香奈「よし、これでOKと。」

美月「いや、いっぱい作ったよね…。最初スーパーで買う量見た時、多いなって思ったけど。これ全部田中君じゃないよね?」

香奈「いやいや!そんなことしたら、いくら田中君でも太っちゃうでしょ。はい、美月、友チョコ!」

美月「ありがとう、香奈!私もはいっと!」

香奈「ありがとう!!ねえ、この後ちょっと味見しない?」

美月「それ、全部食べるフラグ……!!」

香奈「いいの、いいの!田中君のことも話したいしね!」

美月「聞きたい!!」


×    ×     ×


(長すぎたので、いったん切ります。おかしい、後編が上下編になってしまった……(汗)。次には完結してる......はず!!)



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