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【第一回小説オンラインイベント企画小説】3月26日

第一回小説オンラインイベント開催時に、参加者さんが書いてくれた小説を紹介します!!

イベントの詳細は以下の記事で確認できます。

こちらのイベントで『春の訪れ』をテーマに書いた小説です!

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『3月26日』

布団の中で感じるシンとした空気。カーテンでは隠しきれない柔らかな陽の光。遠くから聞こえてくる電車の通る音。地元を離れてから、何度このひとときを味わったことだろう。

就職の為、首都圏に引っ越してきた私は、この雰囲気に最初は慣れなかった。地元に比べて空気は鋭いし、電車の音はうっとおしいし、一人暮らしは初めてだから寂しいし、何度も地元が恋しくなった。でも、住めば都という言葉があるように、忙しい日々を過ごしているうちになんとも感じなくなったんだけど、今は違う。

「もうすぐここともお別れか」

身体を起こし、大きく伸びをする。そこらに点在していた家具は跡形もなく、有るのは壁際に整頓された段ボールの山だけ。広くなったこのワンルームを、私はもうすぐ出ていかなければならない。

「さ、身支度しないとあの人が――」

ピンポーン

「もう、誰? こんな早くにチャイムなんて」

はーい、と返事をして家のドアを開けようとドアノブを回すと外からの力によってドアが引かれてゆく! その勢いに抗えずに身体が倒れそうになったが、どさ、と柔らかくも固くもない、温もりのある何かに押さえられた。

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春は様々な変化が訪れるタイミングですね。田舎から都心へと、住む場所が変わるのは春の変化を感じさせるものでもあります。

春の訪れをどのように感じるのか?それぞれの解釈の仕方を楽しめる一作ですね!


主催者である私の作品と感想は以下の記事で解説しております。

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