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【読書記録】殺戮にいたる病

最近読書をする回数が増えたので、せっかくなので読書記録を書くことにしました!

我孫子武丸の「殺戮にいたる病」この本は、なぎコミュメンバーに読書会の中で紹介してもらった作品です。

話の内容として、猟奇殺人事件の犯人がなぜその罪を犯すに至ったか?という経緯を追いかけていくもの。

物語は3つの視点から進みます!

・犯人
・自分の息子が犯人と疑う母親
・知り合いを殺された元刑事
の3人の視点から、それぞれ描かれています。

猟奇殺人なので、中々えげつない事件なので、そこはちょっと心やられますが…我孫子武丸さんは読みやすくて、心情に寄り添った書き方をされているので最後までスラスラと読めました。

何よりも視点が入れ替わることで、事件を様々な角度から見られるのも良い点です!

おすすめポイント

正直言うとまとめきれません…。が、一番のおすすめポイントは「最後の一文を読んだ途端に、もう一度一から読み返したくなる」という点でしょう。

このお話、なぜ殺人に至ったのか?をただ追いかけるだけかと思いきや…3つの視点から描くことによる人物トリックが行われているのです!

これは最後読んだ瞬間「えっ!騙された!」と叫びたくなります。そして、一からどうだったかな?と一つ一つを思い出し、端々に散りばめられていた違和感に気づくのです。

読後しばらく本の世界から離れられない!

この作品は本当、何度も何度も頭の中で追いかけては考えさせられる作品です。
一つは、犯人がなぜ事件を起こす思考に至ったのか?心理的分析
そして、トリックはどのように仕掛けられていたのか
最後に、どこかで何かが違えばこうはならなかったのか?

最後は、私は推理小説やミステリーだと必ず考えてしまうものです。あの時ああしなければ、もしも誰かがこうしていれば…というのを考えるのが好きです!

ただ、結果的に「まあ、結局こうなる運命だったんだけどね」と落ち着くんですけどね。

作者視点で見ると勉強になる一冊!

小説を書いている方は、この本は本当に勉強になります。何よりも人物描写が上手く、各登場人物の心情を描くのがうまいからです。

これは、紹介してくれた人とも語った話なのですが、その人物がどういう人物なのか?という説明をほとんどしていないのに、「この子はこういう子!」という想像がしやすい。

殺されていく女の子とか、事件解決の手がかりをつかむために尋ねる教授の癖の強さとか、自然に描かれていて読みながらすぐに頭に映像が浮かびます。

これは、小説家ならば誰もが望む綺麗な描写といえるのではないでしょうか?


最後に

センセーショナルな内容なので、グロい系は苦手、女性を辱めるような事件は見たくない…という人にはとっつきにくいものですが。

ミステリー好きにはおすすめしたい作品です!ぜひ、この記録を読んだ後に、どこで何が仕掛けられているのか?そして最後に何が待ち受けているのか?を想像しながら読んでみてください!


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