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同じ虹を見ていても

こんにちは。あすぺるがーるです。

最近、急な大雨が多いですね。

これだけ急に雨が降ったり止んだりしていると、皆さんもここ1か月で1回は、虹を見たことがあるのではないでしょうか。


しかし、同じ虹を見ていても、その見え方が必ずしも同じとは限らないのです。


そもそも、人の色覚は同じようでいて実はひとりひとり違うのだそうです。

また、身体的な事情により一部の色の判別が困難な方がいらっしゃいます。


今回はそのように、色の判別に困難がある病気や障害について紹介しようと思います。


色覚異常

色覚異常とは、網膜に分布している錐体という色を識別する細胞の働きに異常があって、一部の色の判別が困難な状態のことを言います。

先天的な要因によるもの、後天的な要因によるものの両方があります。

どちらの場合も、他人から言われないと色の判別に苦手があることに気づかない場合があります。


色覚異常は、働きの弱い錐体の種類によって3つに分けられます。

1型色覚:赤に敏感な錐体の機能の異常
2型色覚:緑に敏感な錐体の機能の異常
3型色覚:青に敏感な錐体の機能の異常

参考: 色覚異常 - 目の病気百科 | 参天製薬


羞明 (光過敏)

羞明とは、様々な原因によって普通は眩しく感じない量の光を眩しく感じてしまう状態のことです。

羞明の方には、眩しさによって一部の色の判別が困難になる方もいらっしゃるそうです。


詳細なメカニズムは分かっていませんが、発達障害の特性の刺激の感覚過敏が一因ではないかと推測されています。

そのため、発達障害の当事者が「聴覚過敏」などど呼ぶのと同様、「光過敏」と呼ばれることもあるそうですが、正確な名称は「羞明」とのことです。


色の判別が困難だと

中学2年生の頃、席替えでの一コマ。

席替えは基本くじ引きで行われるのですが、視力などの関係で前方の座席を選びたい場合、事前申告をすることになっていました。


そのとき、ある男の子が女の子用に割り当てられた席を選んでしまったのです。

先生は「そこ女の子の席じゃないか!」と注意しました。


その一瞬後、先生は思い出しました。

彼が色覚異常だったことを。


男女の席の割り振りだけを表示した席替え表では、男子の席は薄い水色、女子の席は薄いピンクで塗りつぶされていました。

彼は、その水色とピンクの見分けが付かなかったのです。


幸い先生がそのことに気付き、すぐに謝ったから良かったものの、そうでなかったらどうなっていたでしょうか。


この他にも、標識の区別や色つきグラフの読解など、色の判別に困難のある方は様々な困難を抱えているのです。


色の判別に有効かもしれないツール

色の判別が困難になる方が、色の判別ができる可能性を大きく高め、より豊かな人生を送ることができるようになるツールを紹介します。

色覚補助メガネ

色覚補助メガネとは、目に入る光の色のバランスを調節して、色覚異常の方が色を判別するのを助けるメガネです。

例えば、「赤」と「緑」の光2つの刺激を受けた場合、「黄色」が認識されます。一般色覚者の場合、色の刺激は「赤」100% & 「緑」100%となるため『黄色を認識』します。ですが、「赤」を感じる細胞が60%しかない場合、「赤」60% & 「緑」100%のとなるため「緑」の認識が強くなり、『緑っぽい黄色』を認識するのです。
上記の例の場合、「赤」を感じる細胞が60%に合わせて、「緑」と「青」を感じる刺激を60%に抑えることができれば、3色が同じバランスになります。バランスがそろえば、視界はやや暗くなるものの一般色覚者と同じバランスの色調の黄色を感じることができるのです。
色覚補助メガネとは|メガネスーパー 眼鏡(めがね、メガネ),コンタクト,サングラス,補聴器販売

色覚補助メガネも普通のメガネ同様、好きなフレームを選ぶことができます。


遮光眼鏡

遮光メガネは、まぶしさの原因になる光をある程度遮って、まぶしさを抑えるためのメガネです。

まぶしさを抑えることによって色の白飛びがなくなり、今までできなかった色の判別ができるようになるのです。


以下は、実際に遮光メガネを試して見える色の幅が広がったお子さんの親御さんのツイートです。

遮光メガネについては私自身もあまり詳しくないので、もっと詳しく知りたい方は以下のサイトを参考にしてください。

遮光眼鏡とは : EyeLife (遮光眼鏡) : 東海光学株式会社

偏光レンズとは | メガネのコミヤマ


色の見えにくい人のために

色の判別に困難がある方の色の見え方を把握することは、決して容易ではありません。

しかし、そのような方でも見やすいデザインをする方法は、あります。

ツールを使う

しかし、色覚異常の方の見え方の傾向を教えてくれるアプリがあります。

それが、「色のシミュレーター」 です。

色のシミュレーター
App Store
Google Play
Webサイト版


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たとえば、上の虹の画像を 「色のシミュレーター」 で見てみると…

P (1型2色覚) の方には、このように、

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D (2型2色覚) の方には、このように、

画像3

T (3型2色覚) の方には、このように見えていることが分かります。

画像4

これから分かることは、少なくとも

1型2色覚
オレンジ・緑、黄色・黄緑、青・紫
2型2色覚
赤・緑、オレンジ・黄緑、青・紫
3型3色覚
黄緑・水色

の判別がつきにくいということです。


この記事のサムネイルも、「色のシミュレーター」 に取り込んだ以下の虹の画像を、合成して作ったものです。

画像5

デザインをされる方は、デザインを見直すときに、このツールを使ってみてはいかがでしょうか?


色に頼りすぎない

しかし、ツールも万能ではありません。

冒頭でも述べたように色の見え方は人それぞれで、その全てを再現することはできないからです。


そのため、デザインをするときは色に頼りすぎないデザインをすることが大事です。

色の明度、彩度、コントラストを多様に変化させたり、縁どりを利用したりすれば、色の識別に問題のある方にも伝わりやすいデザインになります。


色の判別が困難な人のために作られたデザインは、万人に伝わりやすいデザインになると、私は思っています。

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