仮面ライダーBLACKSUN

「仮面ライダーアマゾンズ」に続き、ネット配信での仮面ライダー作品のリブートとして世間に驚きを与えた「仮面ライダーBLACKSUN」(以下「BS」)は、公開と同時に賛否両論で再度大きな話題となった。

その名の通り「仮面ライダーBLACK」を元にリブートされた本作だが、その実は全く異なる新しい仮面ライダーだった。
人間と怪人が共存する社会ながらもお互い相容れない溝があり、派閥があり……という設定は別物過ぎて評価は大荒れではあったが、オマージュもそれなりにあって知っている人はフフッとしてしまうチョイスがニクい。
原作に忠実なキャラクターもいて、ビルゲニアなんかはよりキャラクターが強調されて正直「BS」の方が2割増しでカッコよく良いキャラクターに仕上がっていると思う。
とはいえ正直なところ、僕の「仮面ライダーBLACK」「仮面ライダーBLACK RX」の記憶はかなり薄まっているのだが。
アクションはライダーシリーズ初のG18なだけあってグロテスクな描写は多く、造形や特殊メイクが凝っていることもあって苦手な人は要注意ではある。
とはいえ、僕自身もグロは苦手目で横隔膜がフワーと持ち上がってはギュワーと息苦しくなるタイプであるものの、「BS」ではそういった感覚はしなかったので、ガロ系マンガぐらいは大丈夫っていう人なら大丈夫だろう。
責任は持たないが。

作品云々の話はクレヨンしんちゃん並に嵐を呼ぶところだとは思うが、僕はイマイチ派に一票入れたい。
というのも「仮面ライダーアマゾンズ」の大成功があったからそもそもの期待値が高かったというのもあるし、仮面ライダーシリーズでも特に根強いファンがいるBLACKのリブートということも期待値に拍車を掛けていた。
事前のプロモーションにもかなりチカラが入っていたこともあって、肩透かしされた気持ちが評価に入っていることは否めない。
雰囲気はとても良くて、ブラックサンとシャドームーンは勿論ながら怪人たちやバイク等の小物も造形は感動するほどイケている。
特にバトルホッパーはシビれるぐらいカッコよく現代アレンジされていて、フルカウルスポーツこそ最高のスタイルと考えている僕ですら乗れるなら乗りたいと思った。
あの健気な可愛さの描写はないのだけど、ここまでカッコいい造形ならむしろウェルカムだ。
個人的には創世王が最も手が込んでいるように見えていて、大柄な造形に反して細かいところまでギミックが仕込まれており、後半にある戦闘シーンでは「こんなに動けるのか……」と関心した。
マジでスゴい。

総括するとビジュアル面に文句はなくて、原作要素に関しては全ファンの納得するものだと思う。
やはりアレンジした箇所が評価の分かれるところで、僕的には悪くはないがありきたりな社会風刺に落ち着いてしまったのが「なんか違うな」と思ってしまうところである。

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