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2022年、注目したいフレッシュすぎる新しい才能5選 〜 空白ごっこ、Tele、シトナユイ、秋山璃月、0am 〜 社会背景から読み取るポップ・ミュージックのすごさ【ふくりゅうの音楽新潮流徹底解析 〜 menu.2】

「最近、新曲をディグっていない…」「一歩踏み込んだ音楽通になってみたい」そんなあなたに、WOWOW MUSIC // POOLがお届けするコラム。
音楽コンシェルジュ・ふくりゅうが、今一番熱い音楽シーンをシェアします!

ポイントは“クロスオーバー”、“ジャンルレス”

2022年がスタートしました。名物音楽番組『関ジャム』や『バズリズム』、Spotify『RADAR: Early Noise 2022』、雑誌『MUSICA』など各メディアで、2022年を彩る“ニューカマー特集”が出揃ってきた昨今。2022年の音楽シーンにまつわるキーワードも見えてきました。

ポイントは“クロスオーバー”、“ジャンルレス”。そして、凝った音楽性とオリジナリティーを感じさせるポップセンスの強度の高さ。歌えるし、耳に残るサウンドの個性が強いのです。

人類史上、最もたくさんの音楽を楽しめるようになった近年。ストリーミング時代、表現者はたくさんの音楽を耳にする時代となりました。ひとつのジャンルに固執する必然性が薄れてきているということでしょう。もはや“ジャンルの壁”に固執する時代ではなくなりました。作りたい音楽があれば、どれがどんなジャンルであろうとリファレンス(参考文献)として受け止め、自由自在に取り入れることが可能となった制約なきナチュラルボーンなクリエイティブ。

社会の変化によって影響を受けたであろう歌詞=生き様を感じさせる言葉の魅力

3年にわたってパンデミック禍は続き、曲作りや宅録作業に時間をより多くかけるようになった環境の変化。DTMの普及、制作ツールの低価格化。ライブやフェスは苦心しているが、音楽を発表する場がYouTubeやTikTok、各種ストリーミングサービス、SNSなど多種多様に増えたこと。そして、コロナ禍において社会のシステマチックな変化によって影響を受けたであろう歌詞=生き様を感じさせる言葉が感じさせる深み。そんな2022年のはじまりです。

今回、他媒体のニューカマー特集も敢えて見比べながら、その上で自分好みの“超フレッシュ”な5組を選ばせていただきました。宝物のような音楽との出会い、お楽しみあれ☆


●ずば抜けた歌声の個性と楽曲の完成度の高さ、空白ごっこ

1_空白ごっこ


この2年の推し☆ “空白ごっこ”とは、ヴォーカリストであるセツコ、コンポーザー針原翼、koyoriによるユニット形態の3人組バンド。一聴すればわかる通り、楽曲の完成度の高さ、クオリティーがずば抜けてますね。セツコによる、せつなさを醸し出す耳を奪われるヴォーカリゼーションの凄み。まずは、疾走感駆け抜ける“シャウエッセン”(←えっ?)をテーマに作り上げたロックチューン「シャウりータイム」を聴くべし。

HP https://www.kuhakugokko.com

●言葉が解き放つパワーと流麗なるメロディーの美しさ、Tele

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知り合いから届いたYouTubeのURL。先入観ゼロで聴いた谷口喜多朗のプロジェクトTele(テレ)による「バースデイ」。“なにこれヤバい!”、時代の閉塞感を吹き飛ばす“僕らに明日はないんだぜ。今すぐ何かを変えようぜ。いつまでたってもこのままで、いられても困るだろう。”のフレーズの強さ。苛立ちを跳ね除けるパンキッシュな言葉のパワーと流麗なるメロディーの美しさ。2022年、必要な音楽の登場です。耳を奪われたわ。
Twitter https://twitter.com/KitrTele

●天賦の才能とクリエイティブセンスの良さ、凄いぞシトナユイ

3_シトナユイ


声、めっちゃいい。えっ、しかも現役大学生? 生み出す曲の振れ幅も広い。なのにYouTube登録者数がまだ104人!? 大阪音楽大学mcr.専攻、作曲ユニットmoodtempoとしても活動する彼女。てか、Spotifyへアップした歪んだギターがロッキンかつデストピアな雰囲気満載のダンサブルなナンバー「LOVE AS HELL」がすんごい。超いい。MVないのがもったいない。MV費用、出したいぞ。てか、マーケティング手伝いたいぞ。
Twitter https://twitter.com/shetona_yui

●多幸感でいっぱいのギターもすごい。令和の吟遊詩人、秋山璃月

4_秋山璃月

イントロのギターフレーズの展開からもう優勝。一気に気持ちを掴まれる多幸感に溢れたフレーズ、優しさでいっぱいの歌声、なんだこの高揚感の高さは。令和の吟遊詩人=シンガーソングライター秋山璃月(あきやま・りつき)は、10代限定の音楽フェス『未確認フェスティバル』(2017年)、当時17歳でグランプリを獲得した逸材。年始に発表されたSpotify『RADAR: Early Noise 2022』にも選出された注目すべきポップスターです。
Twitter https://twitter.com/ritsukiakiyama

●MAKIADACHIとCOMiNUMによるハイパーポップなユニット、0am

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ハイファイかつローファイな音のテクスチャー、好みだわ。MAKIADACHIとCOMiNUMによる0am(ゼロエーエム)による3rdシングルがめちゃいい。変わり果てた世界の中、会えなくなってしまった人へ捧げるという通り、心ざわめき、寂しさに寄り添うSF R&Bバラード。作詞曲をMAKIADACHIとCOMiNUM、トラックメイク・MIXをMAKIADACHIが担当。なんと、蔦谷好位置さんが発見してしまったという情報も(マジか)!

Twitter https://twitter.com/___0am___

プロフィール
ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)。Yahoo!ニュース、Spotify、FMヨコハマ『Voice Media Talk 〜 話して繋がるソーシャルレディオ』、J-WAVE『TOKIO HOT100 〜 モチコミレコメン』、テレビ朝日『BREAK OUT』、ABEMA TV、リアルサウンド、ビルボードなどで書いたり喋ったり選曲家(プレイリスター)してます。毎週火曜日更新、Spotify公式プレイリスト『キラキラポップ:ジャパン』など担当。
https://twitter.com/fukuryu_76

ふくりゅうA

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