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わがまま婆さん


                立川M生桃

 ある山の奥深くに、わがまま婆さんの住む家がありました。その家に近づく者は、必ず次の日、悪夢にうなされるのでした。

 わがまま婆さんには子供がおりました。長女と次女と長男の3人です。わがまま婆さんは子供の自慢をするのがとても好きでした。しかしある時を境に自慢を止めてしまいました。

 その代わり、わがまま婆さんの前で自慢話をするとわがまま婆さんの髪の毛がどんどん縮れていくのでした。

 わがまま婆さんには、悩みがありました。子供の事と職場の事でした。

 それでわがまま婆さんは、一回り年下の女を捕まえて、毎日毎日同じ話をするのでした。その一回り年下の女は、毎日毎日同じ話を聞くのに耐えかねて、とうとう悩みを解決する方法を考えるのでした。しかし、わがまま婆さんは、話を聞いてもらえれば、気持ちが落ち着くからと解決方法に耳を傾けませんでした。

 仕事の悩みや子供の悩みを話し、聞いてもらい気持ちが落ち着くのなら毎日、毎日同じ話をするのは、とてもおかしな話でした。

 1度聞いてもらい落ち着くのなら。その話が、わがまま婆さんの気持ちの中でいったん落ち着くのなら、普通なら、別の悩みが出るまで、同じ話をしないはずだと、年下の女は考えるのでした。


 しかしわがまま婆さんは、そんなことを考えないのか? 毎日毎日同じ話をするのでした。とうとう年下の女は限界を感じるのでした。それで、ライン電話に出ない事にしたのです。しかし、わがまま婆さんからラインメールが大量にくるのでした。

  ある時、わがまま婆さんの顔にイボが出来たのです。そのイボがどんどん大きくなりました。わがまま婆さんはキティちゃんが好きでした。髪をお下げにしてキティちゃんの髪飾りを付けています。

 職場の者から、キモティちゃんと呼ばれていたのです。しかし、そんなことを知らない、わがまま婆さんは同じ職場の人にあだ名を付けては喜んでいました。そして本人の前で「乳首のパパ」と勝手にあだ名を付けて、職員がそうその人を呼ぶまで洗脳するかのように、「あの人は(乳首のパパ)よ。見てちょうだい。シャツの下から乳首の形が浮き出てるでしょう」と言って皆に興味を持たせ、洗脳するのでした。

つづく





 


 

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