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大谷翔平の凄さを科学的に解明する

私はNHKの「メジャーリーガー 大谷翔平」という番組を昨年の末に見て再度録画していたものを見て「もやっと」していたことがクリアになったお話をしたい。

彼の凄さをタモリやスポーツニュース番組で様々な人が、スゥイングの軌道の話や筋力トレーニングで米国人並みの肉体が造れたとか、軸足の怪我が治ったから支えるようになったなど色々なことを言っている。

私はこれを聞いていてそうんだろうね。くらいにしか思っていなかった。しかし、ふとNHKの大谷翔平の番組を年末に録画しておいたのを思い出して見てみることにした。というのも、忘れていたのだが、この時、大谷翔平の凄さを感じていたことを思い出したからだ。何に凄さを感じたのかそれをこれからお話したい。

彼の凄さについては、あくまで、私の仮説に過ぎないのでそのような気持ちで聞いていただければと思う。

それは、彼の幼少期に遡る。小学校3年の頃から父親と交換日記をやりはじめている。我々の言葉で言えば、「振り返り」である。日々、交換日記をやっていたのである。ここには、よかったこと、悪かったことが書かれており、やってみることも書かれていた。これは、アジャイルやリーンの世界で言えば、KPTを日々やっているのと同じなのである。日々の振り返り。トヨタで言う日常管理(ディリーマネジメント)に相当する。

2年以上日記をつけていたようだが、おそらく、彼の中では、振り返る癖がこの時期以降に醸成されたのではないかと考えている。
よく話題に大谷翔平がマンダラチャートをやっていた話も耳にするが、マンダラチャートは一つのツールであって大谷翔平を作り上げた価値観と習慣とは何かが重要なのである。世界一を極めるプレーヤーにはそんなに簡単になれるものではない。ひとつのツールとして使ったかもしれないがその根底にあるのは何か?なのである。私が思うに、それは人並み外れた早いPDCAサイクルを幼少期から体得し習慣、癖にして当たり前に回せているということだと分かった。幼少期からPDCAサイクルを世界一早く、しかも継続的に回せる能力を持った人間なのではないかと推察する。この特徴は、イチローにも似ている。

それには、きちんとした理由が存在する。それは、振り返って、改善することと成長に関する因果関係である。振り返って改善する速度と結果の間には因果関係が存在している。この因果関係を当てはめれば、彼がなぜそこまで成長できたのかが説明がつく。自分でこうしようと決めてやってみてダメなら真因追求し対策を考えてまたやってみる。このサイクルが早い人ほど成長するのは自明の理であり、原理原則なのである。

大谷翔平は、成長過程において、おそらくこの人並み外れた早いPDCAサイクルを身に付けたと同時にアイデア、発想なども人並み外れた量を出す術を身につけたのであろう。脳科学の側面から見ても面白い特徴が見えてきたのである。

二刀流だっからこそアイデアが出た

テレビ番組などでは、肉体的な側面から彼の二刀流を見ている人が多い。休みはなく、打ったり、投げたりできているのは不思議だとか、どうして野球の2つの主役、ピッチャー、バッターという2つの役割を世界のトップレベルまで追求することができたのか?と世界の人々が不思議に思っていることだろう。

これも私の仮説なのだが、この仮説であれば、二刀流という一件矛盾する話の説明がつくのである。

脳科学とPDCAから脅威の成長が説明できる

それは、脳科学のデフォルト・モード・ネットワーク(DMN:Default Mode Network)や心理学のフロー理論からの説明である。この理論を当てはめてみると二刀流だからこそ頂点を極めることができたのだと思えてきた。

その理論を説明しよう。改善(進化)が進むチームの特徴は、アイデアが他に比べて出るという特徴がある。小さなアイデアが沢山出るチームは改善が進み進化しやすいという特徴を持っている。PDCAを回す。と人は簡単に言うけれどもアイデア、発想が浮かんでこないと質の良いPDCAを回すことはできないのである。つまり、PDCAのPで止まってしまう。

そう考えると、彼はアイデアや発想がかなり大量に出てきていると考えられる。そのはずなのである。普通の人は二刀流だとあっちのこともこっちのことも両方考えないといけないのでそんな器用に考えられないと言うのが当たり前なのだが、彼の脳は幼少期のことからその環境で慣れていたため、打者の時には、投手の悩みは忘れることができる。投手の時には打者の悩みを忘れることができる。この片方の役割を忘れている時に奇跡が生まれているのではないだろうか。DMNの理論を適用すれば、打者の時には投手の脳の部分は活動しておらず、ぼーっとしている時間が作られるため、偶然そのぼーっとした時間に投げ方に関する党首としてのアイデアがふと出ているのかもしれない。

アイデアはボーッとしている時に浮かぶ

脳科学のDMNの視点で考えると、アイデアはぼーっとしているときに出てくると言われている。お風呂に入っていたり、トイレに入っていたり、課題を抱えながらぼーっとしているときにふと出てくるのです。

熟練者になってくると寝ていても仕事ができると言われるように脳科学的には意識的に仕事をしているわけではなく習慣の中で仕事が出来てしまう。これを別の理論で言うと、フロー状態(フロー理論)と言われるものである。

二刀流がフロー状態とアイデアの創出を加速させた

これと同じ条件が、ピッチャーをやっているとき、バッターをやっているときに発生しているのだと考えてみると納得がいく。二刀流をプロになっていてからやろうとする人にはフロー状態は現れづらいので再現は不可能だと思うのだが、小学校から二刀流をやっているため、脳の構造が二刀流をやることで思考が切り替わると同時にそれなりに出来てしまうためフロー状態に入ってしまったと考えることが出来ます。
フロー状態でピッチャーの練習をやっているときに心を無にした瞬間にバッティングについてのアイデアが浮かんだり、逆にバッティングの練習をやっているときにピッチングについてのアイデアが浮かんだりしていたのではないかと考えられるのです。

もし、同じ役割ばかりやってたら追い込まれて、逃げ道もなくきっと悪循環に入っていたかもしれません。

父親の徹さんが、幼い頃から指導した3つの教えも功を奏していて、技を教えるのではなく、3つの教えとして、基本的な行動を促しているのです。守・破・離の守ですが、ここでは考えるという習慣が身につき、父親が言う、一生懸命に走るとはどういうことなのだろう?と考えることが脳を活性化させるトリガーにもなっていたと考える。細かなスキルは教えない、考えさせるなのです。
考えないといけない環境に直面したときに改善能力が高い人は順応し高めることができます。大リーグで次から次へと課題に直面しても並外れた改善能力のおかげで変化変動に対応出来たと考えられるのです。

私は父親の育て方を聞いただけで、なにか匂うぞ!と反応したのです。このお父さんからは製造系の匂いがしたのです。ネットで検索すると、三菱重工業、トヨタ自動車東日本での勤務経験があると出てきたのでです。私の鼻は良く効くのです。まさに大谷翔平を作り上げたのは製造業の人づくりが少なからず影響していたのだと実感したのです。

この理論は例えわかっていても同じことはできないでしょう。これは、偶然がなし得た産物だからです。同じ状態にするには様々な条件が伴っていないといけませんし、同じプロセスは再現できないし、習慣化するには親と子の絆や信頼関係がなければできません。

しかし、ここから学べる原理をマネジメントの中にフィードバックすることは可能です。

医学的に一度きちんと解明したいものです。(笑)

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