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時計仕掛けのレイライン -朝霧に散る花- 読了

レイライン三部作、読了です。
途中で離れたりしてなんだかんだ3か月くらいかかりました。

いや~~~~~面白かった。間違いなくシナリオゲーと言える話の面白さでしたね。
3作目も2作目同様後半から面白く(3作目は中盤からですけど)、話が動いてからはもうノンストップでした。
デカい感情が発生しすぎて読了感でいてもたってもいられねえ!みたいなのはないんですけれど、純粋に良いストーリーで良いゲームだったなと。
謎が全て解き明かされ、張り巡らされた伏線も回収して、大満足です。
ただ、1作~2作前半の序盤が話進まない上にワンパターンでダレたというか、正直つまんなかったって事実は残ります。
その点を差し引きしても、後半の展開と面白さで完全にチャラ、いやそれ以上です。
魔術をメインに取り扱うシナリオかつ世界観という僕があまり好きではないものだったので刺さりませんでしたが、シナリオは本当に良かったのでそうした世界観が合う人ならばもっと好きになれるはず。
前半ちょっと飽きるかもしれないけど2作の終盤まで何とかやって!と人に勧められます。

そして、シナリオの良さに引けを取らないキャラクターたちの魅力がこの作品のもう一つの良さでもあります。
モー子、ハイジ、リトをはじめ美麗で可愛らしいヒロイン達に、サブキャラも良し、男キャラたちも良いキャラしてます。
残念ながらヒロイン達の個別ルートはおまけ程度の存在で美少女ゲームとしては手抜きかもしれませんが、魅力あるキャラたちが躍動する魅力的なシナリオときたら面白くないはずがないでしょう。
序盤ワンパでつまらないと言いましたがそれは遺品周りの話のことで、日常シーンの会話の応酬は全然ストレスに感じないどころか結構楽しめる部類に入ると思いました。
1作2作3作と追うごとにキャラが増えては会話も賑やかになり、その楽しそうな風景に微笑ましくなったりして。
途中挟まれるSD絵が良い仕事をしています。

以下、朝霧に散る花の詳しい感想と3作通しての感想を。
ネタバレ注意です。














2作目で学園の目論見を阻止し、夜の世界の謎が解け。
消えたおまる達夜の生徒を救うべく20年前の火事の真相を探ることに。
遺品を利用してラズリットとラズリットが引き取ったらしき娘?の2人の記憶をたどって何が起こったかを知ろうとします。
回想が何回も入りトクサのメンツがクソ真面目に過去を推理して話し合っている中、ラズリットの記憶を呼び起こすために連れてこられてずっとちょこんと座ってるリトちゃんが可愛すぎる。
盛り上がって話してる人たちを傍に、いつもの表情で首をかしげているリトの姿が安易に想像できます。

つっても序盤は回想も話も大きく動くことはなく、いつもの遺品騒ぎの話に終息してたりして。そっちはノーコメントで。
超大所帯となったトクサでの掛け合いと日常会話のが楽しく見ていました。
最初は、久我・おまる・モー子の3人だけだったトクサ。
それが3作目では、壬生さんにしずかちゃんにスミちゃん、ドイツ組の2人に満琉と睦月と両手で数えられなくなりそうです。
特に満琉にフォーカスされた会話が多くニコニコ。満琉かわいいし。
スミちゃんと満琉、睦月と満琉の掛け合いが中でもお姉さんと少女って感じで良きでした。
増えるキャラ増えるキャラに、掘り下げではないですけれどきちんと出番が与えられていて好きになれるっていうのは大きなことですよ。


して、話は4章から大きく動き出し本題へ、レイラインというお話が結末へと向かい始めます。
前作で逃げおおせた学園長たちが仕掛けてきました。
ヴァインベルガーから来たルイの兄であるクソつよドイツ人に暗示をかけて仲間に引き込んだ上、触の日と同じ状況を作り出しました。リベンジマッチです。
一番の戦力であったろうルイが眠らされてはアーリックと復活したもも先輩に成すすべはなく、またコソコソと隠れながら夜の住人固定化を失せ具べく奔走することになります。
ルイ・鍔姫・スミちゃんという魔女3人が戦力外の状態で戦うことになるので、限られた魔力を温存しながら立ち回らねばなりません。
途中で黒谷さんがまさかの加入した時は唐突すぎてひっくり返りました。好きなキャラではありましたがまさかここで登場するとは…まあ後からその理由が分かるんですけれども。

密閉された環境、圧倒的不利の状況下、そして常に追っ手に追われている状況の中、それをどう覆すかを今までの3部作で得た伏線と知識をフル回転させて推理・思考をする様は胸が躍ります。
そして状況を打破するべく20年を辿り続け、なぜ学園長たちが計画を起こしたのかが少しづつ少しづつ明らかになっていきます。
これまで伏線が全くなく3作目から新しく追い始めた回想2つは謎が多すぎて推理も難しくて、ページをめくるように小出しで理解していくのが気持ちよかったです。
ラズリットとその娘の日記だと思ったら、娘ではなく娘の作ったホムンクルスの日記と分かった時は、回想に対する不透明感が一気に晴れては2つの日記がガチーーーーーッとハマる音がして快感の域にありました。
そして、学園長ともも先輩を作り計画を進めているのがそのホムンクルスということが分かり。
ここまできたら、そのホムンクルスが雛ちゃんだってことは安易に予測できました。
ずっと真の黒幕が登場せず死んでもいないときたら既存キャラを疑いますし、一番怪しいのは雛ちゃんでしたから。


して、再び発動しようとする魔術を止めるべくまた魔方陣の破壊をしに行くトクサ一行。
その前にまた暗示をかけられた魔女2人が立ち塞がるわけですが…

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鍔姫ちゃんカッコ良すぎワロタ。
きりっとした表情からその佇まいからもうイケメンすぎる。
しかもクソつええし。女の子だよね…?
マジで最高です。抱いて。
こんなイケメンなのにデレたときのポンコツ具合を思い出してはもう脳がバグります。
かわしまりのさんの素敵な声も相まって、この時やっぱレイラインは鍔姫ちゃんが一番好きだなと確信しました。

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連係プレーで鍔姫ちゃんを倒した後に真打登場です。
このCG凄く様になっていてめっちゃ好き。みんなちっちゃい女の子なんですけどね。
雛ちゃんもメガネ外して髪下ろしたらもう雰囲気違いすぎて別人並みです。
こっちのが個人的には好き。オタクくんは髪を下した美少女に弱い。


鍔姫ともう一人3作目で大きく株をあげたキャラがいます。
株をあげたというか2人とももともと大好きなキャラなんですけどね、もっと好きになりました。
それはアーデルハイト・リッター・フォン・ヴァインベルガーこと金髪巨乳娘ハイジちゃん。
ルイが戦線離脱し一人でトクサとこの危機に立ち向かうわけですけれども。
こうなったときのハイジがあまりに頼もしすぎる。
頼りになるカッコいいとこ有能なところしかありませんでした。
普段のポンコツちゃんは何処へ?ルイがいないと別人になるんかい?

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もう言わずもがなですがこのシーンですよこのシーン。
力を借りども、複数人とアーリック相手に大立ち回りです。
ここだけマジで別ゲーやってんのかと思いました。
負けこそしましたがいっちゃんテンション上がりましたわ。
マジで誰?


して、あれこれあって本当に魔術を止めるラストチャンスとなって。
登場人物総出の熱い展開でしたが、魔方陣が焼き付いてる!からのアンデル登場夢の世界へGOからの満琉と三厳の真相の流れはちょっと強引すぎるというか急展開で結構ついていけませんでした。
そういう設定ならアンデルが三厳の中にいることを示す伏線が1作2作目からちょくちょく入れてても良かったんじゃ?と思ったり思わなかったり。
まあ、それでも筋は通っているので腑に落ちましたけれどね。

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そして、最終的に魔女として覚醒した三厳が全てを破壊しては夜の世界の住人も助け出し大団円です。
やっぱり最後は主人公が活躍しなきゃね…こういう展開は嫌いじゃないしむしろ好き。
望んで起きたわけじゃない悲劇が望まない計画を生んでしまったこのお話でしたが、最後には全員救われるハッピーエンド。
良かった。本当に良い話でした。

とは思っていましたが一つだけ今から無粋なことを言います。
夜の生徒も西寮の生徒も救われる大団円なのは間違いないんですけれど、20年前に火事で亡くなった人と亡くなった久我家の両親がなんか棚に上げられちゃってるのが正直引っ掛かりました。
普通に死人出てるのにそこへの言及が薄くて、みんな幸せ~~~~~~みたいなまとまりかたなのはちょっぴし違和感。
本当に余計なこと言いました、黙ります。



以上感想でした。
いや~~~えがった。長年積んでは2作目の途中で逃げましたけどちゃんとやり通してほんまにえがった。
巷では2作<3作って評価みたいですけれど、個人的に後半の面白さはイーブン、両方面白かったです。
ただ3作目の方が面白くなり始めるのが早かったのでそこの差ですかね。

何度も言いますがちゃんとシナリオゲー、とにかくシナリオが良いです。
解き明かされていく学園と事件の謎がとにかく気持ちいい。
ただ伏線回収ゲー伏線回収ゲーと言われる割にはそこまででもなかった気がします。
全体的に高クオリティでまとまっているという印象です。
展開と流れ自体は良いのですが、やっぱりどこかご都合主義が多く働いているのはぶっちゃけありましたけどもね。
ん?っててひっかかる部分がこういう魔術だから!で片付けられたりスルーされたり。ちょっとこそばゆい。
設定厨なので気になりましたが普通の人が気にするほどではないと思います。
あとヤヌスの鍵ゲーすぎる。
いやまあ分かりますけれどね。普通に便利すぎますもん。
どこでもドアを自由に使えるようになったらあんな感じなんですかね。一応魔力の制限付きですけれども。

してあとはキャラです。最初に言ったのでもう多くは語りません。
3作目でリトといちゃいちゃできたし僕はもうそれでよし!


久しぶりに長編タイトルを片づけました。
ただ読了感とかエモいっていうよりは、本当に「面白い話」って感じだったので感情を動かしてほしい欲がくすぶっているかもしれません。
次はずっとやりたかったTrymenTのalpha編か、9月に発売されたChristmas Tina -泡沫冬景-が安すぎて秒で買ったのでそのどっちかですかね。
Christmas Tina -泡沫冬景-はあの有名なナルキッソスを書いたライターさんの作品らしいので楽しみです。まあナルキッソスやったことないんですけれど。
バブル期の日本っていう世界観だけでもうドンピシャなので、
あとは今後もビジュアルノベルを遊べる時間を確保できるかだけだな!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


オットセイに課金してもガチャは回せません。