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CLANNADをプレイした感想

KANON、AIR、CLANNADと名だたるノベルゲームの名作を生み出してきたkeyが創立25周年を迎えたということでセールをしていたのでCLANNADを購入。少し前にクリアしたので感想を綴る。

CLANNADは何年も前に一度アニメで観た事があり当時の印象としては正直退屈でつまらないという印象だった(風子の話は好きだったし親父の話は泣いた)

親父の話に関しては親父と接した朋也以外の登場人物と同様、プレイヤー視点からしても本当にこの親父は悪い奴なのだろうかと疑問に思った。しかし朋也が言うには他人には朋也と親父の間にある溝が理解できていないだけだと言い張る。そして結局親父は悪い奴では無く朋也の一人相撲だった部分が大きいのは朋也に対して否定的な感情が湧いた。

以前アニメを観た時の感想としては登場人物の多さから本当はもっとエピソードがあって尺が足りていないのではないかと思った。だからこそいつか原作をプレイしたいと思い続け今回購入に至った訳だが原作をプレイしてみると実は上手くまとめていたのだなと感じた。また、アニメ版の宮沢シナリオは不良間の抗争が起きて宮沢が亡き兄になりすまして抗争を止めようとするもので、なりすましはどう考えても無理があるだろうと個人的に評価は低かった。しかし原作版の宮沢シナリオは資料室でまったりして宮沢の兄の墓参りをするだけの内容で特段盛り上がる場面が無い上に(体育倉庫に閉じ込められる等のおまじない部分は楽しかった)ノベルゲー、読み物としてならともかくアニメとしてはあまりにも動きが無く絵面が退屈になってしまうという点で問題があると想像が付いた。アニメ版の宮沢シナリオは明らかにバレているにも関わらず宮沢が強硬に自分は亡き兄だと言い張るシーンが鼻に付く事を除けば悪い点は無かったように思うので、総じてアニメ版は自分が思っていた以上によく頑張っていたのだなと感じた。

ここまでどちらかというと悪い点ばかり述べたが全体的にシナリオの質は良く渚シナリオ、ことみシナリオ、杏シナリオ、智代シナリオ、風子シナリオ、春原シナリオなどはいずれも満足のいくものだった(ちなみに個人的には杏派)シナリオの構造という意味合いで言えば智代シナリオは智代の生徒会長という立場が変愛の障壁になっているだけなので障害としては弱めに感じるのだが朋也の「自分が足を引っ張っている」という葛藤を焦点にした事と、何より智代のキャラクターとしての魅力でそれを補っているように思う。文武両道で作中でも最強格の身体能力を持つ反面、女の子らしくありたいという願望を持ち、かつ朋也に若干重めで依存気味な一途さを抱いているというギャップにやられる者は多いだろう。さすが、後に智代アフター制作を勝ち取っただけの事はある。

今回原作をプレイしてみて捉え方が変わったものとしてことみシナリオも挙げられる。アニメを観た当時の感想としてはことみはギャグセンスのズレや子供っぽさが受け付けなくて好きになれなかったのだが少なくとも子供っぽさについては思い出に囚われ時間が止まっている彼女を迎えに行く事がことみシナリオにおける命題である事が原作をプレイしてようやく理解できた。

このように原作をプレイする事で疑問が氷解したり理解が変わった部分などもあったので色んな意味でスッキリすることができた。

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