「食品の裏側」ブックレビュー

 この本を読んだら明日からきっと安い品物は買えなくなる。安いということは安いなりの理由があることを忘れないで欲しい。元々食品添加物で物を作るスペシャリストだった著者が、自分の家の食卓に並ぶ添加物だらけのミートボールを家族が嬉しそうに食べているところを見て改心。会社を辞めて、今度は食品添加物の恐ろしさを啓発する活動を展開する。
 食品添加物は職人の魂を売る仕事と著者は言う。伝統的な作り方はどれも時間がかかる。つまりコスパが悪いのである。そのため、担い手不足は否めない。そこで食品加工会社は悪魔の言葉をささやく。。「こうすれば簡単に同じ味を出せますよ。」「跡継ぎはそんな面倒な作業をやりたいんですかね?このままではお店は引き継がれませんよ。」その言葉で職人は魂を売る。そんな仕事をしてきたし、それが著者の生きがいにもなっていた。
 著者の言う通り、同じような商品なのに、なぜこっちの方が安いんだろうと思ったことは多々ある。でも、「きっとプライベートブランドだから。」という変な理由で自分を納得させていた。それももちろん理由の一つだろうが、きっと、それ以外の理由もあろう。つまり、オリジナルと似せた味を出しているということである。そういうちょっとした疑問を突き詰めるということで、健康は守られる。誤解を与えないようにしたいが、食品添加物は違法行為ではない。ちゃんと国から認められた製品を重ね合わせているのである。でも、コチニール。。なぜこれを国は食品として許可しているのか見識を疑いたい。


世界を旅するTraveler。でも、一番好きなのは日本、でも住みたいのはアメリカ・ユタ州。世界は広い、というよりも丸いを伝えたいと思っている。スナップシューターで物書き、そうありたい。趣味は早起き、仕事、読書。現在、学校教員・(NGO)DREAM STEPs顧問の2足の草鞋。