(全文公開)身の危険と人生と

 今日から思考力・判断力・表現力を評価することを目的とした大学入学共通テストが始まった(2021年1月16日)。思えば英語試験の問題から今回のコロナまで受験生は数多くの経験しなくても良い経験をしてきた。政府に世界に振り回された受験生たち。それでもめげずに頑張ってきたその成果を発揮できるよう願う!

 気になるのが保健室対応だ。筆者も今まで当日具合の悪くなった受験生の対応で保健室に入ったこともあるが、今回は事情が異なる。治療薬のない病気をうつされるかもしれないというリスクがある。

 別室受験対応者への感染リスクも考えているところはまだ良い。それすらも考えず「仕事だからやれ!」という姿勢のところもあるだろう。長年人権というものを蔑ろにしてきた日本の風土であろうか?

 そもそも、なぜ本当の学力を図るのに1年間のうち1日に全てを集約するのだろうか?1日でその人間が培ってきた実力を図るというのは難しい。点数差が何十点と離れていたら別だろうが、数点であればもはや「運」の世界である。アメリカにもSAT、ACTという大学入学のための共通テストがある。違いはこれらのテストは何回でも受けられるということだ。何回受けても点数が上がらなければその人間の学力は達していないと判断ができるだろう。思考力など、その個人が持っている底力を図りたいのであれば何度でもテストを受けられる仕組みを作るべきではないだろうか。そうすれば、今回のコロナ禍のような様相になっても密やら保健室対応やらに頭を悩ませずに済む。

 日本のテスト体系はご存知の通り中国の「科挙」の流れを組んでいると言われている。

 その試験場であるがなんとこのようなものであったという!

 密の状態を見事に回避している!おそらくカンニング防止のためにこのような部屋に閉じ込めるのであろうが、皮肉にも今の世界の試験対策として最も望まれる形だ。

 それはさておき、個の実力を正当に図るという目的においても、今後もこのようなパンデミックは起こると言われる世界である。本気で試験のあり方を考え直した方が良いのではないだろうか。

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世界を旅するTraveler。でも、一番好きなのは日本、でも住みたいのはアメリカ・ユタ州。世界は広い、というよりも丸いを伝えたいと思っている。スナップシューターで物書き、そうありたい。趣味は早起き、仕事、読書。現在、学校教員・(NGO)DREAM STEPs顧問の2足の草鞋。