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羊毛布団

今回のテーマは羊毛布団です。
羊毛布団は羽毛布団に比べ嵩がでない事や弾力がある為、体に添いにくいという理由から掛け布団より敷き布団に向いているように思います。
最近は機能的な合繊繊維が増えて羊毛布団の需要が減ってきていまいす。
実際に百貨店の布団売場や専門店の売り場を見ても羊毛布団の品数は少なくなってきているのが現状です。
なので今回は羊毛布団の良さを機能面から再確認したいと思います。

羊毛布団のメリット

・高い吸湿性と放湿性
人は冬でも寝ている間にたくさんの汗をかくと言われています。羊毛はその湿気を吸い取り繊維内部に閉じ込めるのでサラサラ感が保たれます。湿気を吸収した際に羊毛自身が発熱するので暖かさも問題ありません。
吸い取った湿気は日中に放湿するので夜にはまた湿度のない同じ状態で眠りにつくことができます。この高い吸湿性と暖かさは湿気と冷えが禁物のリウマチにも効果的と昔から言われています。この効果は他の繊維にはない羊毛布団ならではの効果と言えるでしょう。

・お手入れが楽
湿気を吸っても布団自体に高い放湿性が有るので日中に長時間干しておく必要はありません。乾燥している環境で1~2時間ほど干しておけばそれで十分でしょう。

・熱に強く燃えにくい
羊毛は繊維の中に窒素や水分を多く含んでいるのでもともと燃えにくい繊維です。炎にかざしても溶解せず炭化しますので羊毛が原料の布団はとても安全な寝具といえるでしょう。

羊毛布団のデメリット

・厚みがない
羊毛の敷布団には基本的に厚みはありません。上記で書いている通り湿気を吸い、その際に自身が発熱する為そこまで厚くなくても十分温まることができます。しかしそれでは十分なクッション性は得られません。
通常の敷布団と同じ厚みをだそうとすると羊毛の使用量が増え価格がかなり高くなってしまいます。ならばと厚みを出すためにポリエステルなどの合繊繊維とまぜてしまうと羊毛本来の効果が損なわれてしまいます。羊毛布団はウール100%で使用するから効果的なんです。
なので他の敷布団と重ねて使ったり、マットレス等と組み合わせてベッドパトとして使用するのが一番望ましいと思います。

・臭い
羊毛は動物繊維の為、動物独特の臭いが有ります。これは繊維についているラノリンという油脂からくる臭いと言われています。羊毛の産地や洗浄方法などにより多少の差はありますが合繊繊維とは違ってこれはやむお得ないでしょう。

・水分を含むと縮む
羊毛のセーター等を洗濯すると縮んでしまうように布団も羊毛であれば水洗いすると縮んで硬くなってしまいますので洗濯したい場合は業者に出してドライクリーニングをする必要が有ります。
しかし最近では洗える羊毛布団(ウォッシャブルウール)も販売されており、これであれば家庭で洗えないデメリットを解消できます。


羊毛布団は今や昔からのウール好きが求める程度で市場では高機能なテンピュールや安価な合繊繊維の布団の方が売れ筋なのではないでしょうか。
売場でも羊毛布団の展示自体が少なくなり売れにくい状況に追い込まれています。しかし布団としての機能はまだまだ捨てたものではありません。
中国ではウォッシャブルウールを使った洗える布団が注目され、売れていると聞いたことが有ります。日本でも羊毛布団がもっと世間に注目されるようより良い情報を配信していきたいと思います。


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