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イラク政府はイラク北部地域を見捨てたのか


6月10日、イラク北部のキルキーク州でISISがイラク軍宿舎を攻撃。

これによりイラク軍将校二名、兵士三名が死亡した。

イラク合同作戦司令部は「ISISは10日の22時に軽自動小銃とロケットランチャーを装備し、宿舎に奇襲をかけてきた。」と述べている。

同時に、「イラク軍に対する攻撃はISに甚大な被害を与えるであろう。」と声明を出した。


口だけの合同作戦司令部?

しかし、この襲撃の7日前にイラク軍はキルキーク州及び東部ディヤラ州のISの隠れ家に対し大規模な空爆を行っており、IS戦闘員13名が死亡。北部ISの一時的弱体化を成功させたはずだった。

その1週間後、民家でもインフラでもなくイラク宿舎を攻撃。

イタチごっこである

IS隠れ家を攻撃するF16IQ戦闘機


北部イラク軍弱体化とその理由

バグダッド・イラク軍とイラク政府の間での北部防衛に関する意見の相違などにより、北部イラク軍の防衛が手薄になっている。

特に陸軍の歩兵や戦車、装甲車両、ミサイル搭載型トラックなどの数がイラク政府の指示により激減しており、ISからすれば格好の標的なのである。

いくら空爆をしても、地上を守る陸軍の数が少なければISは地上から攻めることができてしまう。

しかもだ、キルキーク州はクルディスタン自治区に隣接しており、同自治区にはクルドYAT部隊やYPG部隊などの対IS部隊などが駐屯している。

ISからすればクルド系武装組織とイラク軍に包囲されてる中、今回の様な攻撃を行えたのはイラク政府が、北部地域でのISの活動に対し消極的であるからとも取れる。

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