時間とお金は存在するのか?
8月12日 20:10 アイスランド
この国にもようやく夜がやってきた。今日でアイスランドに降り立って35日が経とうとしている。
とにかく暇だ。
もしかしたら人生で一番暇な時間を過ごしているかもしれない。
とにかく暇すぎる。
暇なら帰ればいいじゃないか!といわれそうだが、帰るわけにはいかない。5日後友人がアイスランドにやってくるのだ。
目的としている旅は終わったのだが、予定よりも早く終わってしまい、ただ時間が過ぎるのを待つばかり。それと同時にお金も減っていく。
物価の高いこの国にただいるだけで、毎回の支払いが少し億劫になってしまっている。
キャンプ場で何もせず利用料を払い、歩き尽くした首都にいる意味もわからなくなってきた。
バスで観光するにもお金がかかり、観光地にもあまり惹かれない。アイスランドという素晴らしい国にいて贅沢な話だ。
だから、今日から200kmの小さな旅を始めたわけだ。5日後に空港に辿り着く200km。
お金は存在するのか?
出費がかさむ日々の中で、「お金」について考えている自分がいた。
お金は何のためにあるのか?
僕の答えは「使う為にある」が一旦の答えとしている。
時には自分を喜ばし
時には人の笑顔を作る
そんなことを心がけてお金にコントロールされないようにしている。
使うことを前提にしていることもあって、貯まるわけがない。
旅で使っても、また帰って貯めればいいや。と今までと同じ調子で、クレジット決済をしている。しまくっている。
現金を持たなくても小さなカードを機械にかざすだけで、買い物ができてしまう。そして、1ヶ月の支払い総額が銀行預金から引かれる。
お金とは何だ?
もう現金である必要がない。つまりただ数字が増えたり減ったりしているだけになっている。
金融資本主義。
お金を投資して利益がでれば、お金がお金を増やす。それも、数字が変化しているだけだ。
お金とは何だ?
目に見えない数字があっちにいってこっちにいって、そう考えれば、全部無料みたいなもんじゃないか。
なのに、人はその数字の変化で安心し不安になる。
ただの数字なのに。
結局、全部無料だ!と思ってしまえば、何だか無敵モードに突入してしまう。
だからといって、豪遊する気にはなれない。だから、身の丈にあった支払いをするように調整れているのかもしれない。
お金は人が作り出したもの
人間のルールでしかない
支払いがかさむ日々で気づけた大切なこと
時間は存在するのか?
このテーマでの意見はさまざまだと思う。
僕の結論は、「時間はない」
8月に入りアイスランドに夜がやってきた。1ヶ月前は夜がなかった。地球の自転公転と太陽の位置関係。そんなものが自分の体で感じることができている。
今回の歩き旅では、夜が来る前にどこまで行かなければならない。という考え方がほとんどなかった。
一般的に登山やハイキングでは、夜の行動を避けリスクを回避する。
夜が来ない7月のアイスランドでは、そんなことどうだってよかった。夜の12時でも日中との気温差は微々たるもの。ライトをつけなくても歩けてしまう。
いまだにヘッドライトは一度も使っていない。
時間とは何だ?
○時にスーパーが閉まる
○時に店を開ける
○時にイベントが始まる
時計の針が動いていることが時間なのだろうか。
そもそも人は、時間の概念を持っていなかったはずだ。
太陽が上がれば起きて
太陽が沈めば寝る
ハイキング中はそんな動物的な生活リズムになる。
それが、ただ歩くことを求めたロングハイカーにとって一番効率のいいリズムになるわけだ。
時間とは何だ?
この旅を通じて時間に対する考え方もアップデートされたように思う。
これは白夜や極夜を実際に体感しないとわからないことかもしれない。
今まで理屈でわかっていたことが、ようやく本当の意味で理解できた気がする。
白夜や極夜が存在する場所で住む人たちは、日本人とは違った時間の感覚を持っているのだと思う。
言葉ではその真意をつかまえきれないが、毎日やってくる夜と昼の関係を、1年を通じて捉えているようだ。
この地に住む人たちにとっては当たり前の日常なのだろうが、同じに地球に住み同じ人間の形をしていても、無意識のレベルでは時間の捉え方は相当違うはずだ。
昨日は23:00に少年サッカーの練習が終わっていた。
日本ではあり得ない。それぐらい常識が違う。
日本の23時とアイスランドの23時は同じでいて違う。
やはり、時間も人が決めたものでしかない。自然界の生き物は「今何時だ?」なんて思っているわけがない。
お金も時間も
共通して人が決めたルールに過ぎない。人間社会で生きる僕も含めた人類は、今のと段階ではこのルールから逃れることは難しいだろう。
でも、こんな考え方があってもいいと思う。なにか自分を留めていたつっかえ棒が外れたような気がする。
とにかく暇な日々でも、いろんな気づきがあるもんだ。
むしろ暇だからこそ、そういう考えに辿り着けたのだろう。
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