#34 【先生方、子育て中の親必見】BE→DO→HAVEの法則
子どもをほめて伸ばす。このことについては今の教育で疑う余地はないと思います。しかし、ただやみくもに褒めるだけでは、子どもたちに間違ったメッセージを送り続けることになりますので、親や教師は「BE→DO→HAVEの法則」を頭に入れておく必要があるかと思います。
BEは存在承認、
DOは行動承認、
HAVEは成果承認のことです。
どうしても大人(親や教師)は、子どもの行動や成果に目を向けてしまいがちです。
例えば…
HAVE…「成果承認」は、「100点が取れてすごいね」「試合に勝って頑張ったね」と結果に注目して褒めることです。
DO…「行動承認」は「お友達に優しくしてあげられてえらいね」「お手伝いしていい子だね」など、その子の行動に注目して褒めることです。
成果承認や行動承認がいけない、というのではありません。ただそれだけでは子どもたちにまちがったメッセージを送ってしまう危険性があるのです。 例えば「成果承認」ばかりだと「お父さんは成績の良い私が好きなんだ。成績が悪い私はダメなんだ」と子どもの心にすり込まれていきます。
同じく「行動承認」ばかりだと「優しくない私はダメなんだ」「お手伝いをしない私は愛してもらえないんだ」となります。
大人にとって成果承認することや行動承認することはある意味そんなに難しいことではありません。子どもの行動を見つめてよかったことをほめたり、いい結果が出たときにほめたりすればよいわけですから。でも、それだけでは不十分なのです。
もうお分かりだと思いますが、一番大事でしかも難しいのは「存在承認」です。「存在承認」が、幸せへの第一歩といわれています。つまり「たとえあなたがどんな行動をとろうが、たとえあなたがどんな成績をとろうが、私はあなたの存在そのものを愛しているよ」ということが言葉ではなく、子どもたちに実感として伝わっていくことが存在承認することだと思います。
この存在承認を子どもの心に実感として伝えることができると、子どもは「根拠ない自信」を持つことができるのだと思います。
学級で子どもたち一人一人に存在感を持たせることが大事だといわれるのは、こういうことからきているのだと思います。
自分自身の存在そのものが愛されていると感じた子どもは どうなると思いますか。
その子は自分を大事にします。自分に「自信」を持つことができます。さらに「自信」を持った子は、目の前に困難が現れた時、それを打ち破ろうと「主体的」に行動を起こすことができます。そして乗り越えていけるのです。自分に自信があるから、自分の力で打ち破ろうできるのです。
また、自分の心が愛で満たされているからこそ、他人にやさしくできるし、他人に愛を提供できるのです。また他人を素直に愛することができるのです。このような姿が「自己肯定感の高い姿」と言えるのではないでしょうか?
考えてみてください。
自分に自信を持ち、目の前の困難を自力で打ち破ろうとし、他人を愛することができる人がどうやったら不幸になるでしょうか。ですから、親や教師にとって一番大事なことは、よい成績をとった時や、よい態度や行動をした時に褒めることだけではないのです。いつも子どもの存在そのものを承認するメッセージを発しているかどうかが一番大事なことなのです。存在そのものを愛された子は自信を持ってやっていけるのです。
―我が子がお腹に来てくれた時は、とにかく存在そのものが幸せで嬉しくて…ただひたすら生まれてさえくれたらいい、元気でいてさえくれたらそれだけでいい(存在承認)と思っていたはずなのに…実際に生まれて、子どもが成長し、どんどんいろんなことができるようになってくると次第に子どもへの期待が大きくなって知らぬ間に行動承認することや成果承認することばかりになってしまっていました。――
これはある母親のコメントですが、DO(行動承認)とHAVE(結果承認)の要因は、子どもの成長の中で表れてくることなので可視化してとらえやすく、見つけやすいし、気づきやすいと思います。しかし、BE(存在承認)はDOとHAVEの土台になるもので見えにくいものです。
子どもにとっての一大関心事は、「成績が上がってほめられること」や「友達にやさしくしてほめられること」などではありません。よりももっと根源的な「自分は親(教師)に好かれているかどうか」「家庭(学級)に自分の居場所があるかどうか」なのだと思います。そして究極は「自分が必要とされているかどうか」、について思考というよりはどちらかというと感覚や直感で子どもたちは見定めているのだと思います。それに応えることができるのは、親や教師の「愛情」の他にはありません。
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