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歴史(his-story)

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歴史(his-story)から何を学ぶのか、歴史は繰り返されるのか、歴史にまつわる記事を載せていきます。
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2021年3月の記事一覧

#15 大人の社会科見学 アウシュビッツ訪問記

 仕事の関係で欧州の一国に赴任した際、休暇を利用してポーランドのアウシュビッツ強制収容所跡地を見学してきました。EU統合の原点とも言えるアウシュビッツ強制収容所を実地検分することで、まさに世界史の大きな流れを垣間見ることができると思ったからです。  戦争の歴史を伝える上で欠かせない存在である生存者たちが高齢化する今、歴史を伝える担い手は、戦争を経験していない世代に託されようとしています。実際、アウシュビッツ博物館で現在案内をしているガイド260人全員が、戦争を経験していないと

#13 日本・トルコ友好秘話(時空を超えた恩返し)

 今からおよそ38年前の1985年3月17日、イラン・イラク戦争の最中でのことでした。(私は大学生でこのニュースをテレビで見て知っていました。)イラクのサダム・フセインが「今から48時間後に、イラン上空を飛ぶ飛行機をすべて打ち落とす」ということを世界に向かって発信したのです。イランに住んでいた日本人は、慌ててテヘラン空港に向かいましたが、どの飛行機も自国民の救助が優先されました。 空港に向かった日本人はどうなったか? 世界各国は自国民の救出をするための救援機をすぐにイランへ

#3 幕末常識大転換

「泰平の眠りを覚ます上喜撰(蒸気船)たった四杯で夜も眠れず」という狂歌、おそらく知らない人はいないのではないでしょうか。これは幕末に日本に来航したアメリカのペリー艦隊への幕府の対応、狼狽ぶりを揶揄した歌とされています。強気のペリーに、それに屈する弱腰の幕府、長年の鎖国で外交音痴、その結果不平等条約を結ばされた、そんな一連の出来事を象徴するような歌であると考えているのが、普通の日本人の認識だと思います。 この「泰平の〜」という歌、最近までしばらく教科書に載っていませんで