「日本の保育士が見たフィンランドの教育 オランダの教育」ワークショップで見えた喧嘩を減らす遊びの空間
2020年2月22日 名古屋でワークショップを開催しました
休日のお昼にも関わらずたくさんのかたにご参加いただきました。大阪、神戸、静岡など遠方から参加してくださったり、ご家族で参加、数年振りにここで偶然再会なんて場面もありました
お申し込みの時点でたくさんの人に興味を持っていただき、最終的にFacebookの興味ありが1000件を超え予想外の反響に急遽2部を作りましたが
残念ながら満席のためお断りさせていただいたかたもいらっしゃいますので今回もレポートをアップいたします🍎
今まで細々とやっていたため初めてのことが多く対応が追いつかず色々とご不便をおかけしたり、ワークショップが終わってからすぐにパソコンが壊れて連絡が取れなかったりレポートも遅くなってしまったりとワークショップ前後もバタバタと慌ただしいものとなりました。皆様からのご協力のおかげで無事開催することができました。ありがとうございます
1部はフィンランドに行ったことがある、他の北欧の国に住んでいたなど北欧に関わりのあるかたの参加が多く
2部は教育関係者、保育関係のかたに多く参加していただきました。
スタート
今回も受付が終わった方から
今の自分の気持ちを表すカード、ピンときたカードを選んでいただきました
そしてこのカードを使ってテーブルごとに自己紹介
1部はご飯を食べながら参加者の皆さんとお話をしたりフィンランド教育と聞いてイメージすることを話し合ってもらったり、フィンランドの基本情報について聞いていただきました。
この回はお一人参加のかたが多かったので最初は固かった雰囲気もご飯を食べながらお話することで少し緊張がほぐれたように見えました^^
ご飯を食べ終わった後、フィンランドの学校の映像を2種類見て2つの学校を比較してみたり、学校システムや保育の様子、またオランダの視察で行った学校の様子をスライドで紹介しました
omenaのワークショップは質問は随時受付ているので参加者の皆さんからもどんどん質問をいただき、実際にフィンランドの先生がしていたこと、対応についてお話ししました
1部2部ともに質問が多く出た皆さんが関心を持っていた物を紹介します
遊びの人数を決めているシステムです
この写真はオランダの学校のものですがフィンランドでも同じシステムがあります
例えばレゴは4人まで
ままごとは3人まで
など遊びによって人数が決められています
最初に私がこのシステムをみたときは
「じゃあ、いっぱいだったときに遊びたいというその子の気持ちはどうなるの?」と思っていましたが、毎日観察していくことで
これによって遊びが保障されることがわかりました
1つのおもちゃにたくさんの子どもが集まると必ず争いがおきます
そこで「貸して」「いいよ」「あとで」などのやりとりや相手の気持ちを考えることを学ぶのも必要です
でも、そのやりとりで遊びが中断されたり、足りないことでイメージした遊びが十分にできない、そして喧嘩が起きる…
喧嘩を通してコミュニケーション、社会性など学んでいくことも子どもの発達においてとても重要なことですが日本の保育園で働いているとき、レゴで毎回喧嘩が起きていました
原因は透明のキラキラしたレゴが人気で取り合いになっていたり、一つの場所にたくさんの子どもが集まるので当たった、壊した、使ってた…そして途中で他の遊びに変わっていて片付けの時間になると誰が使っていたのか、片付ける人を探すまるで犯人探しのようになったりしていました
喧嘩は子どもにとっても大人にとっても大きなストレスなので少ないに越したことはありません
フィンランドもオランダも喧嘩が本当に少ないです
遊びの時間が穏やかで常に目を見張っていないといけないなんてことがありませんでした。
フィンランドは大人の人数や空間にも余裕があるのでそれも要因の一つかと思いますがオランダは日本と同じような人数配置でした部屋も日本と同じような広さです
フィンランドもオランダも今自分がしている遊びのところに自分の名前を貼ります。そして次の遊びに移るときは名前を貼り替え、その遊びがいっぱいだったら別の遊びをして待っています
「2〜3歳だと”絶対今この遊びがしたい!”と待てなかったりしませんか?」
というご質問もいただきましたが、1年間みていてもそんな姿はみたことがありませんでした。
「今、いっぱいだから空いたら呼ぶね」
と先生が言えば他の遊びをして待っています
そうしたら他の参加者さんから「もしかしたら空いたら必ず呼んでくれるという信頼関係があるからでしょうか?」
という声をいただき「あぁ!!そうだ!だから子どもたちは待っていられるんだ。自分が待っていることを先生は知っていて、必ず呼んでくれるという信頼感があるからだ」と私自身気付いていなかった姿に気づくことができました
日本の現場で働いている時は常に頭がフル回転で
次の流れをどうしよう
ご飯の準備しないと
あの子製作が終わってなかったからやらなきゃ
あー喧嘩してる…
「ちょっとお話し聞いてるから待っててね」
「ごめんねもう時間になっちゃったからご飯たべてからやろうね」
そして癇癪を起こす子ども…
こうして子どもとの約束を忘れてしまったり、次の活動が迫っていてその日できないことが多々ありました。
だから今やらないと自分の順番が来るかわからない
今日遊べないかもしれない
そんな環境にいれば今絶対やりたいと主張するのは当然です
大人でもレストランで自分が何番目に呼ばれるか分かっていれば待てるけど、全くわからない状態で何時間も待つことは私はできません
目で見てわかるというのはとてもわかりやすく安心できます
「順番が待てる」というスキルを育てるためには
順番が待てるような環境づくりが必要なのだと気付きました
大人が順番を覚えていられないのなら、子ども同士で順番が目で見てわかるように工夫すればいい
喧嘩は環境によって減らせるかもしれません
そしてこの気付きは参加者さんの質問、考察から生まれた物
omenaのワークショップが目指していた
参加者の皆さんと作るワークショップ
の形が見えた嬉しい瞬間でした
フィンランドの先生がやっている対話メゾット
こちらは前回あいち惟の森さんでやったものと同じ内容で行いました
詳しくはこちら
今回も全く同じストーリーはなく、同じストーリーの続きを作ってもそれぞれ頭の中でイメージするものは違いました
2部は時間の関係でやることができませんでしたが、その代わりにフィンランドにいるchisatoと中継を結び直接質問をする時間を作りました
フィンランドで仕事をしてみたい、お子さんの留学を考えているかた、そしてテレビ通話でフィンランドと日本、飛行機で10時間の距離を超えて遊びました
会終了後は何人かでお茶に出かけて情報交換をしたりお友達になったり、omenaが目指していた”安心できる繋がり”を作る場所にもなれたようでとてもうれしかったです
そして、勇気を出してワークショップに参加してくださった方もいたので辛いこと、悩んでいること、抱えているを少しでも置いていける場所になっていたら嬉しいです
今後について
現在予定していたワークショップは全て中止しています。
安心して参加できる場を目指していますので新型肺炎の流行が落ち着き、安心して人が集まれる場所ができるまではオンラインを中心としたワークショップを行います。
3月22日(日)20時〜1時間程度
今回参加してくださった方、あいち惟の森のワークショップに参加してくださったを対象にワークショップ後の感想やあの時聞けばよかった!と思っていること、新たに出てきた疑問などオンライン会議システムzoomを使って無料のオンラインワークショップを行います
お申し込みはフェイスブックのイベントページまたはホームページをご覧ください
https://www.facebook.com/events/1276768882516120/
(3/9 Mon 17:00 受付開始です)
個人セッション
新型肺炎が落ち着くまでの期間に限り
名古屋を中心に1対1〜3の少人数セッションも行います
フィンランドの教育や対話メゾットなど今までのワークショップの内容はもちろん、個人的にお話したいこと、保育や子どものことについての相談なども受付ています
1時間 1人2000円〜(場所によって交通費をいただく場合があります)
2人以上の場合 1人1500円〜
ご依頼はメールでお願いいたします
件名:個人セッションについて
1 お名前(ニックネームでも可)
2 人数
3 希望する場所(名古屋の中心部など)
4 希望する内容
workshop.omena@gmail.com
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