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体育の時間以外でも体を動かすことができるフィンランドの小学校


前回の投稿でフィンランドの運動について知っていただけたかと思います。
今回は具体的にどんな運動遊びがあるのか、そして小学校ではどんな時に体を動かしているのでしょうか?フィンランドの先生たちが考える運動遊びの意図について考えていきます

日本で運動遊びというとマットを使ったり跳び箱、縄跳びなどイメージしやすいかと思います
フィンランドの幼稚園はだいたいどこの園も園内によじ登るハシゴのようなもの、ロッククライムのようなものつり革がある園もありました
室内でレゴをしている子どももいればつり革にぶら下がるこもいる同じ室内遊びですが手先を使ったり体を使ったり子どもたちは自分の好きな遊びを選びます

園庭にも表紙写真のような体を動かせる鉄棒のようなうんていのようなものがあり大人気です

カト!カト!!
日本語でみて!もしくは見てて!いう意味ですが自分ができること、挑戦することを大人に見ていてほしいというのは世界共通のようです
そして日本人はできた子どもたちに対するリアクションが大きいようです

子どもが鉄棒に挑戦し出来た時「すごい!」と目を見開いて手を叩いて表情と態度で出来たことを表したり、その子の頭や背中に撫でたりしたところ
続々と他の子もやってきて「カト!カト!!」と代わる代わる自分の技を見せてくれました

フィンランドの先生は意外とシンプルです
「すごい」「素敵」という言葉はありますがリアクションが日本の半分以下テンションなので日本では普通のリアクションがフィンランドでは芸人並のオーバーリアクションに見えました

運動遊びはこうして室内や外で好きな時間に興味のある子が取り組んだりジムタイムといって大きいホールで体を動かすゲームをしたり、ホールがない園は近くの公共施設のホールを使って体を動かしたりします


日本で働いていた時は何歳までに跳び箱4段飛べるようにしないといけないという園の目標があったり、運動会までに必死に跳び箱や竹馬、鉄棒を練習させていたり、縄跳び大会に向けて大縄の練習をしたりと運動をさせる、成果を見せる、努力すればできるようになる経験をさせることに必死になっていたように感じます

運動を教えるのではなく楽しく体を動かすことを大切にしているフィンランドの先生たち
スイミングに行く日クラスの中で2人、園に残ることになりました。
この子たちは体調が悪いのかな?と思っていたら「一人は自分で行かないことを決めた、一人は家族で話し合ってスイミングの必要性を感じないから行かない」とのことだった。
みんな行くから行くのではなく、なぜスイミングに行くのか家族で事前に話し合い必要性を感じないから行かない、子どもが行かないことを決めたからその意見を尊重する、それを保護者も園も特別なことではなく日常の一コマとして存在していることがフィンランドの教育と日本の教育の違いではないかと思います。

みんながやっている、大人がやらせたい ではなく
子どもの気持ちを尊重することが自然にできている環境がそこにありました

子どもたちは日本の子どもに比べて圧倒的に怪我が少なく、自分の限界をわかっている、体を動かすことを楽しんでいる姿を見ると「この遊びを通して足腰の発達を促す」とか「体を動かすことの楽しさを感じる」とか指導計画のねらいに書いていた今までやってきたものに対しての疑問を持つことの大切さを感じます。
「なぜ跳び箱を飛べないといけないのか」「なぜみんな竹馬に乗れないといけないのか」「なぜ組体操が必要なのか」
できる子いい子なのか?できるクラスがいいクラスなのでしょうか?
上手に指導できる先生がいい先生なのでしょうか??

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体育の時間以外で体を動かすことができる小学校

この写真は小学校の廊下です
これは授業中でも先生に申し出れば使えるそうです
1コマの授業時間ずっと座ることを強制するよりここで少し体を動かしてリフレッシュする方が子どもは集中しやすいと先生が話してくれました

確かに
集中が切れて教室内を動く子を注意する→授業が中断する→集中していた子も集中が途切れてしまうよりずっといいように感じます

ただ気になったのは

・一人が外に出れば他の子どもも外にいきたくなるのではないか
・ずっと遊んでいて教室に戻らないのではないか

その点も聞いてみたところ、外に出る人数は1〜2人とその先生は調整しているようです。
遊んでいて戻らない子はあまりいないがその場合は声をかけに行くし、子どもによっては何分で戻っておいでと時間を決めているそうです。
そして最後に言ったのが

子どもが頻繁に外に出たがったり、何人も出るのは自分の授業がつまらないってことだから僕自身が授業内容を工夫しなければいけないってことだね

子どもが集中できないことを子どものせいにして怒るのはナンセンスだと言うことですね…耳が痛い。過去の自分を振り返ると耳が痛いです。

最後に

フィンランドの幼稚園でも、運動に特化した幼稚園はあります。
数年前に文科相に当たる機関が発表した子どもの運動の必要性についての発表により一時的に子どもに運動が必要だ!とブームになり、そういった園が人気になったようです(日本と似ていますね)

なので今まで書いたような園がフィンランドの幼稚園の全てではありません。小学校の授業中に運動できるという内容においても、ある先生は授業中は我慢しなさいと言う人もいます。

日本もフィンランドもやはり最後は園やその子どもに関わる人、環境によるのではないでしょうか
子どもに運動が大切なのであれば体操教室やサッカー教室でも体を動かせますしいつもの公園で体を思い切り動かすことも同じ運動です
そこに大人のさせたい気持ちではなく子どもの気持ちがあるか
それを尊重できる環境であればフィンランドでも日本でもどこでも一緒なのかもしれません

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教育関係者や保育者が安心して自分の意見や思いを言える場所 で根を張り
フィンランドの幼児教育について学び明日身(実)になる知識を取り入れる場 フィンランド語でりんごを意味する omena
二つのグループの根っこは同じ
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