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【取材モード】世界唯一の礼拝所

ようやく長かった緊急事態宣言が終了した。今後、ワクチンを接種した人から自粛制限も徐々に緩和されていく見通しだ。秋の紅葉シーズンには旅行する人も多くなりそうだ。

今回は取材モード第3弾として、紅葉シーズンに多くの観光客が訪れる関西某所にある礼拝室についてレポートしていきたい。

問題の礼拝室が開設したのは2015年だ。当時は「ムスリムの観光客も訪問しやすくなる」などとマスコミで注目を集めていたことを覚えている。これまで私も何度か利用しているが、今まで礼拝室で人と会ったことは1度もない。考えられる理由はいくつかある。


まず、利用するための手続きだ。この礼拝室を利用するためには受付でパスポートを提示し名前やパスポート番号などを記入しなくてはならない。礼拝所を使用するためにをパスポートを提示するシステムは私の知る限り世界中でこの礼拝室しかない。そもそも何のためにパスポートを提示する必要があるのだろうか?疑問でならない・・・

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ようやく礼拝室に入っても安心はできない。上記の写真のように礼拝マットが敷かれている一見すると非常にシンプルな礼拝室だ。しかし、この礼拝室にも大きな問題が潜んでいるのだ。


問題は礼拝マットの方向だ。

もちろんキブラ(メッカの方角)を指しているのだが、この礼拝所はキブラの方向が通路になっている。つまり、礼拝をしている最中に誰かが入室してくると必然的に入室してきた人は礼拝中の人の前を通りすぎる形になってしまうのだ。

預言者ムハンマドが「誰かが礼拝中の時は彼の面前を誰も通させてはならない。もし拒むようならば力ずくでも止めさせなさい。なぜならその者には悪魔がついているからです」と述べたこともあり、礼拝中の人の前を横切るという行動はムスリムにとってはタブーなのだ。だが、この礼拝室では、そのタブーが自然発生してしまう仕様になっている。これもまた、おそらく世界で唯一のことだろう。


残念ながら今年の紅葉シーズンも海外からの観光客は少ないと思う。
これまでのレポート同様、コロナが収束し海外から観光客が増えてくる前に問題を修正していく必要があるはずだ。

(Text by Nasser)


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