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ウィル スミス は許されざる行為をしたのか?

世界中でライブ中継された映画の祭典 第94回アカデミー賞の授賞式で事件は起きた。映画「ドリームプラン」で主演したウィル・スミスが、司会者のクリス・ロックに壇上で平手打ちしたのだ。


この事件の発端は司会者が脱毛症に苦しみ丸刈りになっているウィル・スミスの妻ジェイダ・ピンケット・スミスに対して坊主頭の女性が主人公の映画「G.I.ジェーン」になぞらえて揶揄したことだ。一瞬、画面に映ったジェイダの怪訝な表情は今回の事件の深刻さを物語っているように感じた。映像には映っていなかったものの、ウィル・スミスも隣に座っていた妻の表情を見たのだろう。直後に、激怒しながら壇上にあがり司会者に平手打ちをし「妻の名前を口にするな」と怒鳴りつけた。このウィルスミスの行動に対しては擁護派と批判派それぞれの立場から大きな議論が巻き起こっている。

この騒動で私が思い起こしたのが2006年サッカーW杯で起きたジダンの頭突き事件だ。フランスとイタリアが対戦した2006年のW杯決勝。試合は90分で決着がつかず延長戦に突入したなかで、ジダンが相手選手のマテラッツィに頭突きを行なった。当然ながらこの行動にはレッドカードが出されジダンは即退場となり、その結果フランスはW杯のタイトルを逃すこととなった。ジダンは相手選手から家族を嘲笑されたことが原因だとしている。

 当時、ジダンのルーツがムスリムであったことから、この行動をムスリムの家族愛の例として出される機会が一時非常に多かったことを記憶している。

今回のウィルスミスも同じく家族を嘲笑されたことで暴力行為に及んだが、彼はムスリムではない。

あらためて言うまでもないが、家族のための暴力は決して宗教なんかには関係のないことがわかるだろう。 

平手打ち事件後、ウィル・スミスは主演俳優賞の受賞スピーチで涙ながら「 love will make you do crazy things.(愛は人をクレイジーなことをさせる)」と語っているが、これが宗教や人種に限らず人類に共通するこれが真理だと私は思っている。


一方でこの両事件に共通するのは「処分を受けたのは暴力行為を行った側のみ」ということだ。もちろん暴力行為を推奨するつもりはない。だが「暴力の原因を作った側」は本当に無実なのだろうか?

もちろん協会・団体として何らかの処分が必要な場合もあるだろう。しかし、それが決して「正解とは限らない」という事実は常に覚えておく必要があるだろう。




10人いれば10通りの意見が出るのが当たり前であろうし
これらの事件ともに模範解答は存在しないし、存在してはいけない
あるのは「正論」ではなく、常に個人の意見のみだ。

なお、ウィルスミスの事件は、しばらくメディアを騒がせそうなので引き続き注目はしていきたいと思う。

さて、最後に質問です。

あなたは愛する人のために戦えますか?

(Text by Nasser)

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