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この春、管理職の打診を受けたあなたへ

こんにちは。ワークシフト研究所の広報担当です。

ある日のこと、いつものようにSNSを徘徊(苦笑)していたら、「管理職の打診を受けたけれど断った」というワーママさんのポストがバズっていたのを見かけました。理由は、長時間労働が前提だから。

長時間労働は、弊社が監修・運営する育休者向けのセミナー「育休プチMBA®」(育プチ)でも受講者からの関心が高いテーマの1つです。

実は、弊社代表の小早川優子も昇進の打診を断ったことがあるそうです。その後しばらくして昇進はしたものの、最終的には仕事と家庭の両立が難しいと考え、当時勤めていた企業から退職の決断をしました。

紆余曲折を経て、現在は「リーダー層の多様化」を推し進めるいち企業の代表を務めていますが、今その頃の自分を振り返ると「あのとき会社を辞めていなかったら」と思うことがあるそうです。

そんな小早川は、当時の自分、また続く後輩女性、次世代のリーダーに向けてなぜ自信がない人ほど、いいリーダーになれるのか(日経BP社)を執筆しました。詳しくは是非本をお手に取っていただければと思いますが、今回のnoteでは、昇進の内示が多くなるこの時期、「管理職の打診を受けたけれどどうしよう?」と迷っている方に、本のエッセンスを少しおすそ分けしたいと思います。


なぜ自信がない人ほど、いいリーダーになれるのか

管理職を引き受けることが、後輩女性に勇気を与える

現状では、女性はビジネスの世界では「外様」であり、マイノリティであるがゆえにいわゆる「デキない管理職」が女性にはまだ少ないのです。もし、今よく言われるような「女性活躍推進で、げたを履かされる」といった要素があったとしても、昇進を打診されたら、自信がない人ほど、その職位を受けることをおすすめします。そうすることによって、後輩たちに「私も頑張ろう。あの先輩でもあのポジションまで行けるんだ。ならば私が頑張れば、もっと上を目指せるかもしれない」と、勇気を与えることになるはずです。

リーダーとは、必ずしもチームで一番仕事ができる人である必要はありません。本来リーダーの仕事とは、部下の強みを生かして、上手にチームとして機能させ、成果を上げることです。チームのスター選手ではなくチームの応援団のようなリーダーでもいいのです。あなたのリーダーとしての資質は未知数なのですから、後輩たちのためにも、ぜひ管理職に挑戦してみてください。

P.54

リーダー昇格の打診をする、上司の立場になってみる

育児との両立をする社員をリーダーに推すのは、会社にとっても大きな決断といえるでしょう。残業せずに働くリーダーが少数派であるという組織では、上司だけでなく他の社員も、育児と仕事を両立しているリーダーが業務をどう回すかを想像できず、不安になるかもしれません。

(中略)

ある男性経営者から聞いた話では、女性社員に昇進の打診をするとき、「男性上司は、そのようなそぶりをみじんも見せていなくても、女性が考える1000倍くらいの勇気をふり絞って声をかけている」そうです。女性の側には「打診を断る」のはそこまで重いことであるという自覚がないかもしれませんが、後輩への影響も含め、本人が思うよりネガティブな影響力を持っています。

上司は自分一人の考えではなく、そのまた上のポジションの上司や人事に相談して、あなたに昇格を打診しています。女性が断った場合、その事実は上司だけではなく、組織全体に認識されるのです。どんなに正当な理由があったとしても、断った女性には「仕事に対して消極的だ」「会社の状況を理解していない」「やる気がない」というイメージが付く可能性が否めません。

P.66

「管理職になったら、忙しくて残業が増えそう」という不安

「管理職になると、多忙になり、残業が増えてしまいそうな気がする」という不安も、特に子どもを持つ女性から聞くことが多いです。身近に、そんな大変そうな管理職がいるのかもしれません。

しかしそうしたタイプの管理職は、もしかしたらプレイヤーの仕事を必要以上にしてしまっているのかもしれません。周りに男女問わず、残業の少ない管理職はいませんか?探してみると意外と見つかるのではないでしょうか。その人を働き方のロールモデルの一部として、参考にしてみると、これまで見えてこなかった仕事の仕方が学べる可能性があります。

『駆け出しマネジャーの成長論ー7つの挑戦課題を「科学」する』(中原淳著、中公新書ラクレ)は、「マネジャーになったら、プレイヤーではなくマネジャーの仕事をしなければならない」と指摘しています。

リーダーの職と家庭の両立を考えた時、仕事に関する最大の不安事項は「時間が足りなくなること」かもしれません。急ぎの対応が必要な仕事が発生したのに、時間がない。そんなときには、家族との時間を減らして仕事時間を確保し、自分を責めることになる可能性もあります。これまで長年経験してきたプレイヤーの仕事であれば、所要時間も見積もることができますが、リーダー職に就いてすぐは、業務にどれだけ時間が掛かるかが分からず、あたかも「真っ暗なトンネルの中を行け」と言われているように感じるかもしれません。残業ばかりで、睡眠不足の生活が続くのではないか。休日もなくなるのではないか……。そうした心配をする人は多いと思います。

しかし、タイムマネジメントがうまくできない人というのは、本来であれば、やらなくてもいいことまでやっている場合が多いというのが私の実感です。もちろん、本人は「やるべきこと」と解釈しているから一生懸命なのですが、組織視点で見ると「やったほうがいいけれど、今やらなくてもいいこと」に時間をかけているパターンは多いです。

P.169

リーダーは多様化している

「昨今のリーダーは多様化している」と小早川は言います。一方であなたが昇進しなければ、時間を気にせず働ける人、あなたよりできない同期や後輩が上司になり続けていきます。

先日公開したこちらの記事では、双方の実家に頼ることができず、キャリアアップなど考えられなかった方が、そのチャレンジをどう打破されたのか、少しお話を伺いました。

会社も、長時間労働を何とかしたいと思っているかもしれません。

管理職の打診を受けたら……。育プチでは、両立のためのヒントをお伝えしています。決断の前に、是非育プチか小早川の本を覗いてみませんか。そして、時間のないあなたでもリーダーになって堂々と活躍できる世界を一緒につくっていきませんか?

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いつもあなたを応援しています。


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