カラオケボックスとミシン、から考える「隠れた資産」


カラオケボックスにミシンという発想は本当にすばらしい。
これを考えたマーケッターを尊敬します。

この記事を読んで、ふと思い出したのが「コア事業進化論」という本に書かれていた、「隠れた資産」という考え方。


カラオケボックスは、言うまでもなくコロナの影響を強烈に受けた業態です。
この業界の方々のご苦労は余りあるものです。

そんな苦労の中から出てきたのかどうかは分かりませんが、この苦境をどう乗り切ろうかと本気で考えると、自分たちが持っている資産に目が行くはずです。

カラオケボックスという業態が持っている資産、強みはなんなのか?

個室で仕切られた部屋、通信によって常に最新化される楽曲、エンターテイメント性を高めたサービス、飲食物の提供による高い付加価値、などなど、普通のカラオケボックスの特徴はすぐに思いつきます。

カラオケボックスにミシンというのは、そんなに単純な話では片付けられません。


考えてみて、今回の記事で気付かされたのは、

ユーザーがその"場"に感じるコンセンサス

こそが、容易に得られ難い資産だったのではないかということです。

大きな音を出しても迷惑だと誰もがおもわない「お互い様」の共通認識を持つ場であるカラオケボックスだからこそ、ミシンを心置きなく使えるというユーザーの安心感を生み出すことができたと考えられます。

設備投資をすれば得られるような資産ではない、ある種「風土」と呼べるものがカラオケボックスの強みだと再定義できるのではないかと思いました。
これは一朝一夕に作れるものではなく、まさに強みとよべるものです。

カラオケボックスの強みをそう定義したときに、新たに見えてくる事業があるような気がしてきました。

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