今日の読書 #10 "答えを急がない勇気 ネガティブ・ケイパビリティのススメ" 枝廣淳子
ネガティブ・ケイパビリティとは、なにかを「しないでいる能力」
このわかりにくい言葉を、言語・心理・東洋哲学・ビジネスでの実例を交えて教えてくれます
キャリコンの人には、ロジャーズの3条件わかりやすいかもしれません。対象は人だけではないですが
ネガティブ・ケイパビリティを発揮できる人は、不可解な物事を目の当たりにしたり、対応の手段がわからなくても、動じることがありません。内申では動揺していたとしても、不安や焦りにじっと耐えることができるのです
ネガティブ・ケイパビリティ
事実や理由をせっかちに求めず、不確実さや不思議さ、懐疑の中に入られる能力
どうにも答えの出ない、どうにも対処の仕様の無い事態に耐える能力
曖昧さやパラドックスと共存し、それを許容する能力
「すべてまではわかっていない」状態を良しとし、中途半端な知識を合理化したり事実を追い求めたり、既存の知識や考え方で思考停止したりすること無く、不確実で曖昧な状態の中にとどまる能力
違和感を抱えたままとどまる力
諦めることではない
現実を感受することでもない
平凡さを許容することでもない
思考停止することでもない
何日も先延ばしにすることでもない
決断すべきことをただ忘れるようすることでもないし、それが消えることを願うことでもない
河合隼雄は「葛藤保持力」と表現した
ネガティブ・ケイパビリティの全体像
心構え
世の中には自分のコントロールの及ばないものが有る
世の中にはわからないこと、不確かなこと、一貫性や整合性のないものもある
迷っても良い
その先には発展的な理解が待っている
しっかりとした自己を持っているからこそ、謙虚でいられるし、不確かさに耐えられる
向き合い方
曖昧さに苛立たない
早急な結論・判断や見解に飛びつかない
自己や志向を閉じずに、拡げ、理解しようとする
相反する現実を同時に受け止める
不確かさ、決められないこと、わからないことから生じるプレッシャーに屈しない
結果
創造的なアイディアが生まれるためのスペース
より深い理解・共感・寛容さ
対象の本質に深く迫ること
ネガティブ・ケイパビリティの高いリーダー
Leadの語源はLeith。文字通りの意味は「敷居を越える」
既知のことと未知のことの境界にいることを気持ち悪いと思わない
その境界にいることから、創造性を発揮して新しいチャンスを発見する
J&Jの「タイレノール問題」。ポールCEOは原因が特定できていない、また自分が世間にどうたち振る舞うべきかわかっていない。一方で、顧客に真摯に説明することの大事さはわかっていた。
この状況下で、製品の回収やマスコミに出演しての自らの説明を実行した。それによって、業績は大きく落ちること無く、危機管理の手本になった。
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