どういえば夫が聞く耳を持つのかというと、ただこれだけ。
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長男トラ(9)と次男タツ(7)。
ふたりとも地域のバレーボールチームに所属している。もともとはトラがアニメの『ハイキュー‼』を見て始め、次男は私がついでに入部させた。
私自身、中高の6年間をバレー部として過ごした。高校は割とガチめの部活で、強くはなかったが比較的真剣に取り組んだ。
小学生でおぼつかないながらも、毎日のようにやっていれば上達するものだ。ちょっとしたコツを伝える。私だって同じ道をたどったんだもの。
「こうすると、やりやすいよ。」
言った通りには、しないそうだ。
ま、いいけど。
しかし私と同じアドバイスを、部のコーチがすると、自然に従おうとする。私も同じことを言ったのに。
やはり人間、何を言うかではなく、誰が言うか。
それは彼女、妻、女、なんだろうか、やはり。
そしてそのフィルターは多分、私自身にもあるのだろう。
男性の言うことは無条件に重く真剣に捉えがちで、女性(特に肩書のない)の言うことは軽く、聞かなくていいものと捉えがちなのだろう。
ひとりで子育てはツライ。
私だけが仕事を調整するものなのか。
家事に文句をつけないだけで『偉い夫』になるのか。
少しでも早く帰ってきてほしい。
飲んで帰ってくるのは良いけど、私と子供を起こさないでほしい。
どうして私ばっかり。
子供が生まれて、夫の行動に変化を求めざるを得なくなった。私は赤ちゃんからの力で否応なしに変化したのだが、夫はなぜか、私が変えないといけなかった。その時点で何かがおかしいのだが、いずれにせよ夫の言動には変化が必要だった。
理屈を説明したり、機嫌のいい時を狙って甘えながら言ったり、褒めておだてたり、お願いしたり。思いつく限りの言い方で伝えた。
でもやっぱり人間、どう言うかではなく、誰が言うか。
のらりくらりと逃げたり、部屋から出て行ったり、「うるせー」と怒ったりしながら、やっぱり夫は変わらないまま、月日だけが経ち、子供はどんどんと大きくなった。
妻の言うことは聞かなくても、月日は経っていって子供は大きくなって、気づいたら子育てもひと段落。そういうものだと思っていたのだろう。いま思い返しても悲しい。そして子育ては、気づいたら終わっているほど短期間に終わるプロジェクトではない。
私はどう頑張ったって女だし、離婚しない限り妻だ。『誰』の部分を努力で変えることはできない。
『何を』『どう』言うか、ここを変えるしかなかった。
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ごく普通の女が結婚して妊娠~出産。35歳で『ワーキングマザー』になりました。 それまで世の中知ったような気になっていたけど、実は何も知らな…
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