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観光列車でワーケーションしてみよう

 こんにちは。このnoteでは2回目の執筆となる清水です。実は、私、父が鉄道マンだったことから生まれた時から鉄道が身近にあり、以前は鉄道業界で仕事もしており、自宅の庭では大型鉄道模型(Gゲージという縮尺1/22.5の鉄道模型です)を走らせてしまうほど鉄道が好きなのです。
 そんな鉄道を愛するひとりとして、今回は、いちワーケーション参加者として、ワーケーションコンテンツの企画を提案・実施した「トレインワーケーション」について、特に企画した意図と、企画する上での考慮事項を紹介したいと思います。

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遊休資産としての観光列車

 千曲市ワーケーションでは平日の観光遊休資産を活用してきましたが、観光列車も遊休資産として捉え、ワークスペースとして活用できないかと考えました。千曲市には、第三セクターのしなの鉄道があります。戸倉上山田温泉の最寄り駅である戸倉駅は、しなの鉄道の車両基地もある主要駅のひとつです。
しなの鉄道は、現在では全国各地の鉄道会社が運行している観光列車をいちはやく導入した鉄道会社で、JRから引き継いだ古い115系という車両を有名デザイナーである水戸岡氏のデザインにより改造した観光列車「ろくもん」を、2014年から金・土・日曜日・祝日を中心に運行開始させました。
 しかし、鉄道事業者として比較的大きな投資をして改造・導入した車両が週7日のうち3〜4日しか稼働していないのはもったいないと言えます。そこで、ワーケーションコンテンツとして、平日運行の需要が作れないかと着目し、運行する列車の中で、流れる雄大な信州の車窓を眺めながら仕事をする「トレインワーケーション」を企画することにしました。

トレインワーケーションの最も重要な設備「テーブル」

 「トレインワーケーション」では、第一に列車車内で仕事ができる必要があります。そのために必要で最も重要な設備はパソコンなどを置いて仕事ができる比較的大きな「テーブル」です。電源とインターネット環境も重要ですが、こちらはポータブルバッテリー電源やWi-Fiルーターなどを持ち込むことで解決できます。
 「ろくもん」の車両は、観光列車として車内でフルコースの食事を提供するため、大きなテーブルが席に備え付けてあります。私も何回か乗車して食事をしたことがありますが、ゆったりとしたテーブルで食事ができます。
 また、「ろくもん」は障子戸で仕切ることができる2人用の個室を10室持っていることも特徴で、「トレインワーケーション」で仕事をする環境としては最適です。

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トレインワーケーションにおける調整事項

 千曲市ワーケーションで行ったような「トレインワーケーション」は、鉄道事業者としては団体貸切列車の扱いとなります。しなの鉄道には「マイレール」という貸切列車の受け入れサービスがあり、これを利用したものです。
 団体貸切列車では、運行区間や時刻、車両を比較的自由に決めることができますが、鉄道の運行には以下のような制約があるため、希望を伝える上で配慮しておくと調整が比較的うまく進みやすいと思います。
 ・ 通常運行の列車ダイヤとの調整がある
 ・ 他社線との列車ダイヤ調整には2ヶ月以上必要となる
 ・ 他社線乗り入れには乗り入れ先の乗務員手配の考慮も必要となる
 ・ 長時間停車ができる駅は限られる(待避線のある駅、構内作業の少ない駅)
 ・ 乗務員、添乗員の連続勤務時間、休憩時間への配慮
 ・ 季節性の制約(雪害予防など)がある
 ・ ブランド性の維持への配慮(特に観光列車の車両を利用する場合)

次回告知

千曲市ワーケーションの「トレインワーケーション」は、第2回千曲市ワーケーションウェルカムデイズ(2021年8月7日〜8月13日開催予定)に合わせて、8月10日(火)に第2回運行を企画しています。
盛夏の信州の車窓を眺めながら、観光列車の中で仕事をしてみませんか
イベント詳細/申込サイト:https://furoshiki-ya.co.jp/chikuma/wwd2108/



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