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『人は一人では生きていけない。』 イングランドの詩人ジョン・ダンの名言

 この言葉は、イングランドの詩人ジョン・ダンが残したものです。

 1624年に発表の『不意に発生する事態に関する瞑想(Devotions upon Emergent Occasions)』の17番で、「no man is an island」というフレーズがあり、これが和訳され、「人はひとりでは生きていけない」という言葉になって、私たちの知るところとなりました。

 ちなみに、ヘミングウエイの『誰が為に鐘は鳴る』は、この同じ17番から取られています。
 基になった言葉の「no man is an island」直訳すると
「人は誰も、孤島ではない」という意味になります。

 こうして読んでみると、翻訳と原詩の意味はずいぶん違うというふうに解釈ができます。


 「人は誰も、孤島ではない」

 地球は一つ。全員で一つの大地。この世界の中では本当は、誰一人として、孤島なんかではない。
 たとえ、独りぼっちだと思っていても、必ず誰かが水面下であなたのことを想っている。つながっている。本当です。だからあなたは生きている。循環している。

 ジョン・ダンは不遇の詩人でした。知力も学力もあり、類稀な才能を持ちながらも、人生の多くを貧困の中で生きてきた詩人でした。
 そして子沢山な詩人でもあったようです。


 彼は全く性質の異なるメタファーを対比させる形而上的奇想を得意としました。
 独創的なエロスの表現など、現在のエンターテイメントの基礎になるような執筆を行った詩人でした。
 ある種、毒をも含む制作技法と、波乱万丈な人生が、彼にこの言葉を発せさせたのかななんて思います。

 言葉や作品が独り歩きをするということはよくあること。素晴らしい作品ほどにその特徴を持っています。

 私は、本来の意味であるとされる「人はひとりでは生きていけない」よりも
「人は誰も、孤島ではない」の直訳の方が好きです。

 人がもしも孤島であるならば、全てを自分ひとりで行い、独り占めすることもできます。でも、そこでは一緒に喜んでくれたり、一緒に哀しんでくれたりする人はいません。私たちは、誰一人として孤島ではない。だからこそ、喜びを分け合うことで、うれしさを何倍にもすることができる。

 哀しみも分かち合うことで半減することができる。


 例えば、あなたは、カフェで本を読んでいます。店内にいるお客さん、スタッフが、全部がつながっている大地だと思えたなら、日々共に生活する人々を、共につながる大地だと思えたなら、人生にも、とても大きな希望が湧いてくるでしょう?

 私たちは「幸せという名の大地」に共に暮らしている。
 そこでは幸せの作物が育ちます。
 私たちは幸せの作物を、互いに喜びながら分け合って暮らしてゆく。

 本当はひとりぼっちな人なんて、この世界にはいない。
 見回せば必ず、あなたを大切に思っていてくれている誰かの存在があります。 
 
 マルコ



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