価値観は比べるのでなく数えるもの


まつげパーマをした。

まつげパーマとは、名前のごとくまつ毛にパーマをあてることだ。

ビューラーを使わなくてもまつげがきれいに上がる。

時間がたっても湿気などでまつ毛が下がってくることはない。


まつ毛の長さはせいぜい数センチ。

その数センチの世界が大事なのだ。

目が大きく見え、印象が明るくなる。

ちなみに3週間ほどしか持たなくて5000円程度が相場だ。

3週間まつ毛がきれいに上がることに対して5000円を支払う。

この価値に対してどう思うだろうか。


たった数センチの世界に5000円を支払う。

文字だけで並べるとたかが、の話だ。


でもこの数センチで毎日が変わる人がいる。

毎朝起きて鏡を見たときに、いつもより自分の顔をかわいいと思う。

毎日メイクをするときにいつもよりかわいくできたと思う。

仕事をしていても女友達と会ってもそしてデートをしていても、この数センチのまつ毛のおかげで自分はいつもよりもかわいいという自信になる。

自己肯定感が上がるのだ。


まつ毛の数センチの世界はとてつもない自己肯定感につながるのだ。

そしてかわいくありたいという気持ちこそ、”価値”なのだ。


世の中には理解に難を要する価値がいくつかある。

数百万をかけて、壮絶なダウンタイムを経て数ミリ鼻を高くする人もいる。

ただ時刻を見るだけの時計に数千万をかける人もいる。

形に残らないアイドルとのお話会にボーナスをつぎ込む人もいる。

でもこれはその人たちにとって必要な”価値”なのだ。

価値観なんて100人いれば100通りある。

100の価値観があるのに、Aの価値観がBの価値観を馬鹿にしたり、あざけわらったありするのはナンセンスではないか。


価値というのはそこら中に散らばっている。

お嫁さんになることが夢、というのも一つの価値。

アイドルを追いかけるという人生も価値。

好きでもないことを仕事にして誇りに思えない仕事を続けると決意したその考えも価値。

人の価値観と比べたり、人の価値観を馬鹿にしたりしている暇があるなら、自分が今持っている価値の数を数えてみてほしい。

価値の数が豊富なほど、自分らしさを持っているということになるのではないか。

価値の所持はゲームみたいなようにも見えるし、どれだけ人生を豊かに生きているかを示す数値になる気もする。

まつ毛の数ミリの角度にこだわるのも価値だ。

私はまつ毛を上げるという行為で、自分をもっとかわいく見せたいという価値を明確にした。

価値観なんて様々なのは当たり前なのだから、価値を比べる前に自分が持っている価値を数えてみてほしい。

意外と価値だと思っていなかったものが価値になったりもするだろう。

そしてその価値は武器になることもあるだろう。

価値集めをする人生だと思えば、自分のことを卑下することもなく、RPGくらいの感覚で人生を楽しめるだろう。

ちなみに5000円で手に入るまつ毛の価値は、おすすめだ。

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