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ほとりに

そのほとりには、露出した根が足をつける気があった。苔が少しかかり、男性的であると下世話な芸術家の顔役を名乗る男は口にする。

その話を聞いたものは、我こそはと押しかける。言いえて妙と鼻で笑うものがほとんどであるが、反感を抱いたものにできることは少なかった。彼らにできることといえば、ほとんどが自然礼賛的な大言壮語を並べることが関の山だった。

反感は伴えど、その言葉を簡単に打ち消せるものとはならなかった。やがて数週間もすれば、口を閉ざして主流に迎合する人々で溢れる。

「ねえ、おじいちゃんの足みたいだよ」

子どもの一言が祖父にひとつの答えを与える。祖父は披露しようかと悩んだが、ついぞ誰にも告げずに過ごした。

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