ゴールデンレコード症候群

はじめは頭が痛かった。
目がチカチカして、頭がずっしりと痛み出してくる。薬を飲めばいいのかもしれないが、さらに音が聞こえてからは意味なんてないと飲まなくなった。

金属が軽く弾かれたような涼しい音。さながらオルゴールのようだった。ゆったりとした音は一定の調子をとって流れている。

もしいきなり調子が乱れたり、音が鈍くなりはじめればぼくはきっと狂ってしまうだろう。小さくなってお祈りをしてみてもなおらない。でも、音に耳を貸し続けている間は心地よいときもあった。

「ゴールデンレコード症候群」

ふと、声が聞こえた気がした。思い浮かべるのは、金色の円盤に描かれた模様。宇宙の誰かに届けと込められたメッセージ。

相変わらず頭は痛む。けれど、かすかに聞こえるこの音が安らかな気持ちにしてくらた気がした。

ご清覧ありがとうございます。