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彼女の悪い癖

「ねえ、どうして地面は沈んでしまわないんだろう」
「どういうこと?」
「たくさんの人が、いやそれだけじゃなくて物があるのにどうして沈んでしまわないの?」

どう答えたものか、ぼくは分からなかった。そもそも、理由がわからない。地面の密度が高いから?それとも実は静かに沈んでいて、けれどもほんの僅かずつ過ぎてわからないから?考えたところで、答えにはならない。

「調べちゃだめだよ」
「なんで?」
「お互いに答えを出し合えば楽しいじゃない?」
「楽しかないよ」
「楽しいわ」

彼女の悪い癖だ。それが面白かろうが楽しかろうがやりづらかろうが関係ないのだ。ただ、この疲れが少し気持ちがいいのはぼくにもよくわからないんだ。


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