マガジンのカバー画像

錦光山和雄の小説編

14
運営しているクリエイター

2022年1月の記事一覧

真夜中の観覧車

真夜中の観覧車

丘陵の上にある病室から観覧車がみえた。観覧車は、夕方になるとライトアップされ、夜空に色とりどりの光を点滅させている。光の点滅が止まると、三本の太い鋼管で支えられた観覧車の円い縁の白いイルミネーションだけが光っている。

 夏も終わり近くなり、少し蒸し暑い風が病室の開け放たれた窓から入り、室内の冷えた空気と混じり合っている。しのぶは窓際の椅子に寝間着姿で腰かけていた。身体に負担をかけないようにゆった

もっとみる
On the Street

On the Street

 僕はストリートで詩や小説を書き、エッセーも書く。

 書き終わると、春の香りのするベーコンとブロッコリーのペペロンチーノを食べ、泡の綺麗なビールを飲む。
 

 
 そして時々、みずからのチカラで甘味と酸味をつくりだすという麹のはいった酒を飲む。麹の不思議なチカラを信じているからだ。

 〇©錦光山和雄 All Rights Reserved