むかし書いた韓国コラム #593

 韓国人に「日本のキムチはキムチじゃない」と言われた。韓国のように味に深みがなく、ぜんぜん辛くない、または単に辛いだけ。あれで金を取るとは信じられないと立腹の様子。しまいにはお得意の発音問題まで取り上げ「KIMUCHIではなくKIMCHIだ」とうるさいことこの上ない。ならば韓国でどれだけまともな日本料理が食べられるのかというとはなはだ疑問だ。最近でこそ日本人の料理人がいる店も増えているが、それでも「日式」の店など日本人からすれば噴飯もので、キムチどころの騒ぎではない。

 最近気になっているのは「ジャパニーズフュージョン」だ。日本っぽく作った料理を「フュージョン」の名でごまかしているとしか思えない。日本料理の基本をしっかりと習得した上でアレンジしてこそのフュージョンだと思うが、果たしてそこまで立派に技術を習得しているのだろうか。

 日本のキムチはキムチじゃない? ならばフュージョンキムチということにしておいてくれ。

【解説】
 まともに日本料理の修業をしたわけでもない料理人が適当に作った創作料理をフュージョン料理と呼んだりするようだが、時に日本料理の面影もないような料理が出てきたりもする。キムチのことになると目くじら立てて怒るけど、もう少し他国の食文化も尊重してくれたまえよ。

(初出:The Daily Korea News 2011年4月28日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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