むかし書いた韓国コラム #654

 韓国のオフィスビルの地下には「アーケード」と呼ばれる商店街のあるところが多い。飲食店や文房具店などが軒を連ねる。オフィスで使う文具類を調達したり、忙しい時の食事に外に出なくても用を足せるので便利な存在だ。日本にもこうした地下商店街はあるが、韓国の方が見かける頻度が高い気がする。

 地下にあるため表通りを歩いているだけでは気付きにくいが、意外と周辺に勤務するサラリーマンの間では知られた名店が潜んでいたりする。先日も日本から来た友人をアーケード内の店に連れて行った。別に名店に行ったわけでもない。それでも、古びたオフィスビルの地下という立地は、ごく普通の韓国のサラリーマンが食べるごく普通のお店という感じで、意外と好評だった。

 日本から来る知人のリクエストで「ガイドブックに出ていない地元の人が行くようなお店」というのは多いが、こういう時は思い切ってオフィスビルの地下に連れて行くというのも案外有効な手段かも知れない。

【解説】
 まったく観光客向けではないが韓国人の生活の一面を見るという点ではまたとない教材かもしれない。あとは企業の社員食堂も一般に開放されているので、そういうところに連れて行くというのも面白いかもしれない。

(初出:The Daily Korea News 2012年2月8日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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