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むかし書いた韓国コラム #471

 韓国に暮らす外国人には外国人登録番号が付与される。この番号はなにかの申し込みや登録などの際に必要になるので、在住期間が長くなるといつの間にか覚えてしまう。

 ある日ふと気がついたのだが、この番号を日本語で暗誦できるかというと結構まごついてしまうのだ。それもそのはずで、日本でこの番号を使う機会などあるわけがなく、口頭で述べる機会があるのは韓国だけ。必然的に韓国語で覚えることになる。書類に番号を書き込むときも、頭の中では韓国語で思い出している。

 試しに在韓期間が長く韓国語も相当な水準にある日本人の知り合い数人に尋ねてみたところ、やはりみなさん韓国語では言えるが、日本語で言うには頭の中で一度韓国語から日本語に変換する作業が必要で、すらすらとは言えない。言えたところで何かの役に立つわけでもないが、身近なものでありながら日本語では言いにくいというのはもどかしいながらもちょっと面白い。

【解説】
 電話番号であれば日本人にも韓国人にも口頭で伝える機会が多いので日本語でも韓国語でもすらすら言えたもの。日本語で言う機会のない数字の羅列というのは外国人登録番号が唯一の存在ではないか。写真は出入国管理事務所のサイトより拝借。

(初出:The Daily Korea News 2015年3月23日号 note掲載に当たり解説を加筆しました。記事の内容は初出掲載当時のもので現在の状況とは異なる場合があります)

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